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2006年4月30日

(書評)人は放射線になぜ弱いか

ブルーバックス
人は放射線になぜ弱いか 第3版
少しの放射線は心配無用
近藤宗平
ISBN4-06-257238-9
講談社 1998.12

 興味があったのでたまたまだったのだが、時事的に少しタイムリーだったようだ。本文ではチェルノブイリの問題にも触れている。

ブルーバックスシリーズ自体、きちっと数字を並べてあるものが多く、その点少し専門的なのだが、放射線という一般的に捉え難いものがテーマなだけにイメージし難い部分が多い。特に放射線を取り上げた場合、複数あるその強さ大きさを表わす単位がどうしても漠然としてしまい、なにが大きくてなにが小さいのか最後までピンとこなかった。

ただし話としては十分に面白く、放射能がどういう点で人体に影響があるのか、それなりに噛み砕いて解説されている。とくに細胞のDNA損傷にたいする修復についての解説が詳しく、分子レベル細胞レベルでの具体的な話が多い。この点で、生物を化学反応の集合体として捉えた場合になにが見えて来るのか、という自分が持っているテーマにたいして参考になる話が多い。

放射能という点では、いくつもの根拠をあげて低レベル放射線に対する過剰な拒否反応に警鐘を鳴らしている点がメインと思う。この問題については、いまの所この本以上には踏み込まないつもりなので、そういうもんなのか、という反応しかできない。ただ、日本にいくつもある放射能系の温泉が何故身体に良いのかという説明にはなっており、その点単純に肯定できそうな部分を含むと思う。中国にある自然放射線が相対的にかなり高い地域での研究が報告されていて、むしろ健康で長生きな人がいたりするという。考証のしようはないのだが面白い話ではある。

全体でみて、話を少し単純化する為に省いてある部分や、部分的に難解な文章が混ざるところなど、読後感としては引っ掛かるところも多い。また、あまり踏み込まない前提で読んだため、難解な部分はアバウトな理解のままで読み過ごしてもいるので、本の内容としては半分も理解していないかもしれない。それでも、本のタイトルに対して期待したものは十分に得られたと思うので良しとしておきたい。

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2006年4月29日

教育基本法

 伝統の尊重など明記、教育基本法改正案を閣議決定(読売新聞)

このニュースを読んで、この法律改正によって具体的に何が変わるのかが良く分からない。私自身は学校というものから卒業して既に年月が経ち、身近にそこに身を置く人もいないという意味で、学校教育から遥かに遠ざかってしまった。その意味では、現在現場で何が起きているのか間接的にしか分からないのだが、現在最も問われているのは教育における学校の役割なのではないのだろうか。文部科学省のHPを見る限り、そういう領域での議論もしているようなのだが、じっくり読んでいる時間もないので、誰か解説していただけると有り難いのだが・・・

「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する」
読売新聞より)
自分自身、郷土あるいは地域というものへの思い入れはある。それが愛だといえばそうなのかもしれない。郷土の集合体としての国土というものには、集合体としての価値もあるし、そこに暮す人々に対する思いというものも多かれ少なかれ持っていると思う。そういう意味では愛国なのかもしれないとも思うのだが、人々というものへより中心を移して考えだすと、自国か他国かという意味合いが急速に薄れて行き、どちらも同じ人という意味で愛国という枠では納まらなくなる。

現在の政治状況を考えれば、組織としての国に愛着を持てというのは暴言でしかない。更にその上に立てば、そういった状況も含んだ人々が築いてきた伝統とか文化といったものを尊重せよといわれても、そもそもその中身はどういうものなのかという議論から出ることができない。

上にも記したように、私は学校教育という場からは最も離れたところに居る。堂々巡りのような思考の上に、今の自分の立ち位置ではこれ以上述べることもないように思う。願わくば、役人の自己満足で終わらないものであって欲しい。

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2006年4月27日

ピアノの森と別府

 ピアニストを主人公にした漫画というと、どちらかというとどうものだめカンタービレの方が有名のようだが、私はピアノの森のほうが好きだったりする。
(どちらも講談社なのはたまたまか?)

元世界的なピアニストに見い出された少年が、やがてピアニストとして成長していく物語り。週間モーニングで連載していて、話はショパンコンクールの予選へと進んでいる。この単行本11巻に感動の再会シーンがあるのだが、ここに別府が登場する。

物語りの中では別府コンサートホールと名乗っている。すぐ隣に木々が繁った公園があり、このホールと公園が出会いを場面を演出しているのである。作中ではかなり細かく描画されているので、実在の公園をロケハンしたものと推測。先日、別府に立ち寄る機会があったので、それらしき所にちょっと寄り道。

別府コンサートホールは実名をビーコンプラザといい、公園はホールの東に隣接した別府公園のことだった。別府市街で市役所もすぐ隣、別府駅から公園まで徒歩10分といった場所である。

訪ねてみると漫画そのままに公園とホールが向かい合っている。公園の木々も松、桜、楠などがそれと分かる程度に描き分けられたそのまんまだ。
物語りを知らない人には、なんだ・・・という程度の話であるのだが、晴れた昼下がりにのんびり散策するには雰囲気の良い公園だった。

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2006年4月26日

由布院にて

 先週、二年ぶりに由布院へ行ってきた。
春に訪れるのは初めて。ソメイヨシノはもう散ってはいたが、山桜や菜の花が
咲き、楢や楓の若葉が開き、青空に由布岳が浮んでいた。朝晩はまだ寒かったが、
のんびりとそぞろ歩くにはとても良い季節だ。

「由布院」と書いたが、観光地としては「湯布院」という書き方の方が一般的と
思う。鉄道の駅名が由布院であるように、駅を中心とした温泉地の名前は「由」の
字を使う。このあたりのもともとの地名が由布院なのだ。由布院は今から50年前に
湯平村と合併して湯布院町となった。その湯布院町も昨秋に無くなった。平成の
市町村合併の結果である。今は由布市だ。
辞書に登録されていないので、一文字づつ打たないといけない。

由布市のある大分県は全国で最も徹底的に市町村合併が行われた県である。
二年前には58あった市町村が現在は18にまで減った。
合併しなかった市町村が五つのみで、その他が13の市に再編された。
これは明治に郡区制が発足した当時の郡の数12に近い。

由布院に話が戻る。由布市は三つの町が合併してできたのだが、市役所は元の
三つの町役場に分散したままだ。旧湯布院町役場は、由布市の湯布院庁舎と
なっている。ただ、市長室は違う庁舎にあるので、湯布院庁舎は市長のいない
市役所というわけ。由布院にとって首長との距離が遠くなったことだけは
事実のようだ。

市町村合併の正否についてはいろいろと言葉のあるところだが、自分にとって
一つだけ確かなことは、このような生活に直接関わる問題は、その地域の意志
のみで決めるべきということ。地域外の思惑によって半ば強制することは
すべきではないと思う。市町村合併の次に道州制といわれているが、上からの
押し付けではなく、地域の意志によって作り上げられるべきなのだ。


由布院は地域の人達の努力によって作り上げられてきた町であり、その事で
テレビにも取り上げられ、実際に携った人達の話を聞いてみて、その意志を
強く感じる町の一つでもある。
由布院は素敵な露天風呂や宿がいくつもある魅力的な町だ。
今度はもっとのんびりと出掛けてみたい。

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2006年4月25日

4月25日購入書籍

 繁華街に出たついでに本屋にも梯子。
昨日読んだ月刊歴史読本6月号で著者が紹介していた一冊。

戦国 北条一族
黒田基樹著
ISBN4-404-03251-X
新人物往来社 2005.9

以前から気にはしていたのだが、
部屋に読むのを待っている本がいっぱいあるのと、
この○○一族シリーズは著者により当たり外れが多いのとで、
何度か手に取ったが買わなかった。

歴史読本の中で黒田氏が最近の研究成果を披瀝し、
最後に以下のように書いていたので、
それならばきっと面白いだろうと思い買ってみた。

  翻ってみれば、通説の早雲像は、実はほとんどが江戸時代の軍記物の
 記述によるものであった。それがここ十年の間に、当時の資料に基づいた
 厳密な研究がすすめられたことで、それら伝説のベールが一つずつ剥がされ、
 徐々に実像が明らかになってきている。(以下略)

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今日の買い物

 そろそろ月末ということでちょっと遠征して買い物。

ひとつ目はDIMENSIONのライブDVD。
DIMENSION LIVE2005 IMPRESSIONS TOUR in STB
昨年暮のこのツアーの別会場に聴きに行ったのだが、
これがむちゃくちゃ楽しかった。
その思いでもあって買ってきた。
純粋に音楽のDVDだったのね(笑)
MCが入っているものと思っていた。
会場の大きさのせいか、自分の記憶のせいか、
かなりアレンジも違うように思うがどうだろうか。


もうひとつは、お気に入りのジャズピアニスト塩谷哲のニューアルバムCD。
まだ聴いてないので、感想なし(^^;
Hands of GUIDO

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4月18日収集資料

 西夏史を扱った論文は同時代の周辺各国に比べれば少ないのだが、
それでもなかなか入手できないものがある。
かねてから探していた岩崎力氏の一論を、白東史学会の御好意で
漸く入手することができた。

宗哥城カク厮ラ政権の性格と企図/中央大学 アジア史研究 第2号
 岩崎力/白東史学会/1978年

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2006年4月 9日

やっと春が来た感じ

 今日あたり近所は桜が満開で、たぶん今も夜桜見物で盛り上がっている。
部屋の窓からは芽吹いたばかりの欅や楓が見える。
欅の若葉を見ると春が来たんだなと思う。
昼間は風が強く黄砂が大量に舞い、太陽を白く霞ませていた。
部屋に舞い込んだ黄砂からは土の匂いがした。
この黄砂はオルドスから来たのかそれともアラシャンか・・・

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2006年4月 8日

4月8日購入書籍

 数日前にネットで注文した本があいついで到着

西夏文字
解読のプロセス
西田龍雄著
ISBN4-472085216
玉川大学出版部 1980.1

でもの発見と思って取り寄せたら、持ってた・・・紀伊国屋新書版
まあ、少し加筆されているのでよしとしておこう(笑)
購入価格1500円


NHK大黄河 第2巻
異境の民とオルドスの興亡
西田龍雄・NHK取材班著
ISBN4-14-008481-2
日本放送出版協会 1986.7月

もう20年も前かな、と思うが西夏絡みなので古本の出物を取り寄せ。
収録されている西田龍雄氏の『西夏王国』は、西夏王国の言語と文化に採録されている。
20年前の銀川や西夏陵の写真が載っていてちょっとよい。
購入価格1000円


民族の移動と文化の動態
中国周縁地域の歴史と現在
塚田誠之編
ISBN4-89489-036-4
風響社 2003.3

先日、書評を書いた中国21 Vol.19にこの本の書評が書かれていて、興味が出たので買ってみた。

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2006年4月 5日

4月5日購入書籍

 久しぶりにネットを使って古本屋からおとりよせ。


アジアの未解読文字
その解読のはなし
西田龍雄著
ISBN4-469-21098-6
大修館書店 1982.3

西夏文字以外にもロロ文字、女真文字、契丹文字などの話も収録。
購入価格1200円


敦煌・西夏王国展
シルクロードの美と神秘
-- 映画「敦煌」委員会 1988

映画上映記念で行われた記念展の図録?
西夏関係のほか、寧夏や甘粛からの出土物、壁画の模写などの写真を多数収録。
自分的には武威から出土したという西夏時代の人物の板絵が初見で面白い。
あと銅印と敦煌壁画もいいな。
短文ではあるが、西田龍雄氏の「黒城と西夏語文献」も収録。
購入価格1000円

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2006年4月 3日

世界遺産 10周年スペシャル!空から見る万里の長城のすべて

 NHKの放送より余計な解説がなかった点、好感をもつ。
万里の長城が黄河に出会うところ、NHKのときのものと全く別のものに見えたのはどういうことだろう。山西の次ぎが甘粛で、間のオルドスが出ないのはNHKと同じで残念。

全編空撮を謳っていたような気がしたが、まあ笑っておこう(笑)

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2006年4月 2日

(書評)日本書紀はなにを隠してきたか

新書y 035
日本書紀はなにを隠してきたか
遠山美都男
ISBN4-89691-549-6
洋泉社 2001.7

 日本史も興味がある。とくに古代史や戦国史は面白い。だから日本史関係の本も読むのだが、この世界も広いので今は深く踏み込まないようにしている。
なので、最近あまり古代日本史関係は読んでいなかったし、本書の様に挑発的なタイトルには手が出なかったのだが、ブログの書評(旅限無)に惹かれて買ってみた。
日本書紀とタイトルにあるが、一部に日本書紀とは関係のない話も含まれている。
古代史についていくつかのテーマをあげて、論旨を簡単に纏めたオムニバス的なコラム本という感じ。一つひとつのテーマに費やすページ数はそれほど多くはなく、その意味では物足りない感じはある。しかし、この本はいくつかの雑誌に投稿された文章の再編集本であり、物足りない分についてはより詳細に書いた本が紹介されており、古代史への興味の入り口として十分な内容と思う。

しばらく日本の古代史から遠ざかっている者にとって、著者の立ち位置と切り込み方は新鮮であり面白い。また論述の仕方にも極端な飛躍は少なく、分からないことは分からないで済ませている点好感を持った。
一つ目のテーマが聖徳太子論。何冊も本が出ているテーマの一つだが、自分としては太子像には虚飾が多いという感想を持っているが、それ以上踏み込んで調べてはいない。この点について簡潔に纏められており、理解し易いものである。
詳しくは別書参照とあるが、とりあえずこれ以上は踏み込まない。
二つ目のテーマは大化の改新論、大化の改新はあったのかといった話。
自分にとって全く守備範囲外、なんともいい難いという世界だが、中大兄が持ち上げられ過ぎというのは受け入れ易く、前後の時代の良く分からない部分を説明し易くなると思う。ただ、こちらも検証をする予定はないので、類書に巡り会うまで面白い話として留めておく。
他にもいくつもテーマがあるが省略するが、ひとつだけコメントしておく。
短文だが邪馬台国も取り上げていて、卑弥呼は個人名ではないという論を展開されている。これは予てから自分も持っていた疑問である。最近邪馬台国ものをほとんど読んでいないので、大きなことは言えないが、やっとそういうことを書いてある本に出会った、というところ。勢いで同じ著者の『卑弥呼誕生』も買ってきたので、こちらは少しだけ踏み込んでみようと思う。

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今日の買い物

 Blogでのコメントが気に入り(どこのblogだったか再発見できず)実に18年振りに高橋幸宏のニューアルバムを買ってみた。
 高橋幸宏 『BLUE MOON BLUE』

買いに行ったついでにタワーレコードの中をうろうろしていたら、自分の一番好きなsax奏者の未購入アルバムを見付けてしまったのでこれも購入。
 Najee 『My Point of View』

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