« イラン | トップページ | 今日のイラン »

2006年6月13日

(書評)空間の謎・時間の謎

中公新書 1829
空間の謎・時間の謎
宇宙の始まりに迫る物理学と哲学
内井惣七著
ISBN4-12-101829-X
中央公論新社 2006.1

 この本は、ニュートンあるいはアインシュタイン、最近ではホーキングといったような名前をあげて、宇宙物理学、理論物理学といったものを解説する本ではない。副題に哲学とあるように、そういった理論の思想的背景を説いている。そのため、ニュートン力学やら相対性理論といった世界をある程度理解している前提で書かれていて、理論の説明は簡略であるうえに概念的と思えるもので、理論の説明自体はむしろ本旨ではないということのようだ。私のように興味半ばで、しかも久しぶりに読みかじってみようと思って買った者にはかなり酷で難解な内容だった。

 本書の筋道は、理論物理学の帰結として時間とは、空間とは何かという問いが中心である。その中心として取り上げられているのが、ニュートンと対立?したライプニッツであり、彼の「時空の関係説」だ。理論物理系の入門書でよくある筋道として、ニュートンの万有引力に始まって、アインシュタインがエーテルに挑んで、相対論に至ったという話はこの本では副次的なものでしかない。そういったものの背景が、「科学哲学」としてどう解釈されるのかという話だ。

 相対論について「等価原理」までならなんとか把握できていても、一般相対性の本質に踏み込めていない(そう思い知らされた)自分のレベルでは、そうなんだぁ・・・と思って読むしかなく、ほとんど理解不能といっていい。ただ、アインシュタインに至る過程として、エーテル論の問題ではなくて、絶対空間、絶対時間という考えにどう対処するかという中で一般相対性が出て来る、というところは漠然としてはいるものの面白い。その点、一般相対性についての本をもう一度読み直してみたいと思う。

 最近の進展という点ではホーキングばかりでなく、アラン・グースといった名をあげ、新しい話のさわりが紹介されている。今も現在進行中ということなわけで、まだまだこれから面白い話が出て来そうだという気はする。

 内容がほとんど理解できなかったという悔しさが大きく残り、もう少し理解できるように勉強してみたとも思うのだが、中程ででてきた「マッハ流力学」あたりは全く理解不能で、ちょっとお手上げ状態。ちょっと新書レベルとしては高くない? それとも理論物理に対して自分が相当に無知ということか。自分にとって興味半ばの寄り道でもあるので、当分棚上げとしておく。

|

« イラン | トップページ | 今日のイラン »

書評」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/162739/10505938

この記事へのトラックバック一覧です: (書評)空間の謎・時間の謎:

« イラン | トップページ | 今日のイラン »