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2006年7月13日

(書評)平成革新官僚

中公新書ラクレ119
ドキュメント
平成革新官僚
 「公僕」たちの構造改革
宮崎哲弥/小野展克著
ISBN4-12-150119-5
中央公論新社 2004.2

 もともと月刊誌『中央公論』に連載された「出でよ平成革新官僚」をベースに再編したもの。あとがきによれば、連載は複数のライターが取材執筆したものを、宮崎氏が責任編集したもので、それに小野氏が追加取材、再構成、執筆をし、宮崎氏が監修したものが本書であるという。総論以外に7つのレポートよりなっており、それぞれに文体、方向性に違いが見られることから、最初のライターの路線はある程度残っているのだろう。

 掘り下げの度合いの違いや、対立軸の描き方の違い(省庁内対立、省と政治家の対立など)は、各省庁の特質もあるかもしれないが、それぞれのライターによる問題点の捉え方によるものが主とみられる。数年前の話であり、同時代性が少し欠けるので書かれていることの実体に自分には不明である。竹中平蔵と官僚の対立を描いた「金融庁 対りそな公的資金注入が破った壁」などは、すこし出来過ぎに見えるがわりと面白かった。

 捉え方の違いには、その状況に即した実体がそれなりにあると自分は想定している。それは、特定の省庁に固有なものではなく、どこにも多かれ少なかれある問題の一面なのだろう。その点で、組織は巨大であり問題は複雑である、という結論でかまわない。

 ただし、今後問題にしなければならないのは、どのような組織であれ、革新も保守もいるものであり、その前提で改革が必要な時に中堅が初志を貫徹できるかどうかである。ここで匿名で登場した「革新官僚」といわれる人達が、一時の不満を吐き出しただけで他人事を決め込むのか、いずれ先人と同じ轍を踏むことになるのか、それとも初志を貫徹して必要な改革に粘り強く取り組んでいくのか、今後も追跡していって欲しい。

 上に書いたように、本書は宮崎氏執筆というものではないが、氏がなにをしようとしているかという色は明確に表現されていると思う。その意味でも、またタイトルの通り官僚(の一部)になにが起きているのかという点でも興味深い一冊だ。機会があればより宮崎氏の色の強い一冊をまた読んでみようと思う。


 めずらしく同時代ものを何冊か続けて読んだ。おかげで歴史ものが何冊も溜まってしまったので、しばらくは本来の路線に戻って歴史関係に専念しようと思う。

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