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2006年7月24日

(書評)シルクロードの水と緑はどこへ消えたか?

地球研叢書
シルクロードの水と緑はどこへ消えたか?
日高敏隆・中尾正義編
ISBN4-8122-0625-1
昭和堂 2006.5

 本書は総合地球環境学研究所における研究成果、経過について一般書として纏められた一冊。言葉遣いの難しい論文集というのではなく、一般読者を想定した構成で、内容の割にかなり読み易く、あまり目に力を入れずに読めた本だ。

 2章ではオアシスについての一般論から中国のように河川流域に成立しているオアシスの実体について、3章では中国甘粛省を流れる黒河につての歴史的、科学的データをもとにした分析、4章では中国で発生する黄砂の発生源のデータからの分析、5章では世界とシルクロードを対比しながら水危機問題の本質の一端を分析している。いずれの章につても、テーマについてきちっと結論が出されているわけではない。しかし一端とはいえ具体的な数字を基にした解析を行い、分りやすく問題点を示している。

 上記のほか、1章にはNHKのプロデューサーによるNHKTVシルクロードシリーズの裏話、イランにおける水信仰についてのコラムが掲載されている。

 一般向け200ページという制限の中で、大枠な話で結論を短絡することなく、問題の本質を一部にしろきっち見せようとしている姿勢はむしろ評価している。まだ途中経過報告といえばそうなのかもしれないが、そのことは読んでいて不快ではない。今後ともできるだけこの様な情報発信がなされることを期待した。

 総合地球環境学研究所には、環境科学系の人ばかりでなく歴史など人文系の研究者も参加していて、すでに論文、資料集と形の会報が刊行されている。問い合わせれば無料で入手できる。

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