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2006年10月28日

西夏文字の世界

西夏文字の世界

 京都府木津町にある国際高等研究所で開かれた公開講演会を聞きにいってきた。西夏語、西夏文字研究の第一人者である西田龍雄先生による『西夏文字の世界』。西田先生の講演を直接伺うことに恵まれたのはこれが初めて。

 簡単な西夏史、西夏語、西夏文字の概要のあとは、かなり専門的な西夏文字の字形についての説明が続いた。とくに文字の派生関係という西夏文字独特の問題について時間を割かれた。

 その後、西夏文字研究のここ10年ほどの展開ということで、「双生字論」ということを説明された。これは、異音類義字の存在に注目する論であるようだ。西夏文字を単なる表意文字とするのではなく、その基になる言語の研究から字形を再評価することにあるとのこと。

 さらに、幾つかの異音同義字あるいは異音類義字が、チベット・ビルマ系の中の異なる言語に親縁関係が想定される例の説明がなされた。その上で資料の最後には、以下のように纏められている。

 西夏文字は部族口語の表記にも考慮していた。つまり複数の言語体系に対して考察された表意文字であった。それ故西夏語自体が部族口語を土台に創りだされたものであり、均質的な一体系を備えた言語ではなく、若干の部族語形の混合体ないしは総合体であったと結論せざるを得ない。
この結論は、西夏のもつ多様性を想定している私自身には受け入れ易い。また、それ故に西夏文字は複雑で難解であるということなのだろうか。


 国際高等研究所では、11月11日に『地図が語る声を聞く〜あらたなる中国像と世界像をもとめて〜 』という公開講演会があるそうだ。講師は、李孝聡氏と杉山正明氏。

 久しぶりに杉山先生のモンゴルの話が聞けるかと思ったが、内陸アジア史学会と被るので残念ながら聞きに行けない。

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