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2006年11月30日

賀蘭山と火焔山

 香取悟空が本場中国で過酷ロケ(スポニチ)

 ひところ、Google Newsで「西夏」を検索すると、このニュースが引っ掛かった。なんのことだろうと思ったら、映画「西遊記」のロケを西夏陵で行ったとのこと。


 このれは、昨年西夏陵を訪れたときのもので、賀蘭山を背景とした4号陵の写真。山に緑がなく、乾季に草が枯れていれば荒涼とした風景にになるので、異国情緒といえばそうなのだが。何故、西遊記とは縁のない西夏陵なのかは・・・まあ、いいか。中国まで撮影に行くのであれば、トルファンまで行けば、もっと西遊記らしい風景があるのだが。


 ちょっと古いが、トルファンの郊外にある高昌故城へ行く途中で撮った火焔山の写真。冬でも赤い山肌が映えてなかなかの風景。夏に陽炎が立てば火焔に見えるかもしれないと思うがどうだろう。

 映画にどんな感じに西夏陵が登場するかちょっと興味があるのだが、そのためだけに見に行くというのも・・・

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2006年11月29日

11月29日購入書籍

契丹文墓誌より見た遼史
愛新覚羅 烏拉熙春 著
ISBN4-87974-601-0
松香堂書店 2006.10

 契丹文で書かれた墓誌を基にした契丹社会についての研究論文集。全330ページで4200円。この内容ならお徳と思い、近所の書店を通して版元より取り寄せ。

 著者は、後記によれば清朝乾隆帝の末裔で、祖父以来、契丹、女真、満州言語文字研究を家学としてきたとのこと。以下に目次を転載しておく。


序論 遼史研究の新しい課題
第1部 氏族と部落
 第1章 契丹の氏族
 第2章 契丹の社会組織

第2部 皇族と外戚
 第1章 遼朝の皇族
 第2章 遼朝の外戚

第3部 習俗と文化
 第1章 契丹人の命名習俗
 第2章 契丹人の親族呼称
 第3章 契丹人の女性に対する尊称
 第4章 契丹人の婚姻習俗
 第5章 契丹の自称及び漢人に対する呼称

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2006年11月28日

(書評)イスラーム帝国のジハード

興亡の世界史 第6巻
イスラーム帝国のジハード
小杉 泰 著
ISBN4-06-280706-8
講談社 2006.11

 講談社の興亡の世界史シリーズの最初の一冊。しばらくぶりの世界史解説書大型シリーズ。先日も書いたように、通史、全史ではなく絞ったテーマについて詳しく説くことを目指しているものと思う。


 本書の特徴は2点。1点目は、著者がイスラム思想史を専門としていること。その結果として意図されたものと思うのだが、イスラム教成立後の通史というよりは、イスラム教とはなにかを歴史の流れに沿って解説する本、という内容になっていると思う。

 そのために、一番重要となるイスラム教成立に関わる部分、ムハンマドの生涯に多くのページが割かれている。また、個々の事件を深く掘り下げることはあまりなく、その背景や意味を丁寧に解説している。

 ムハンマドに割いた分、時代が下るほど歴史の長さの割に扱いは軽くなる。、ムハンマドを取り巻く人々は多く登場するが、後段はキーとなる政治家、学者などに限られ、本の厚さのわりには登場人物は少ないのではないだろうか。

 アッバース朝の滅亡後は、一気にオスマン朝末期まで飛び、最後の2章で近現代を扱って終わる。思想史というと難しい言葉が並ぶようにも思うが、本書自体はわりと平易な文章で読み易い。


 2点目の特徴は、本書のタイトルにも含まれる「ジハード」という言葉。本書には再三に渡ってこの言葉が登場する。これは、今の日本では「イスラム教」を語ると必ずセットで登場するという状況の中で、「ジハード」という言葉の本来の意味と、その言葉から連想されてきた「戦い、戦う」といったイメージの誤りについて、説くことが強く意識されているからと思う。

 私は「ジハード」という言葉でイスラム教を語ることに強い違和感を持っている。そういう意味もあって、イスラム教関係の本を物色していた中でも、「ジハード」をタイトルに謳った本は避けていた。読後であっても本書にその違和感は残るのだが、それでも説くべき必要があるということなのだろう。


 本書は、イスラム教とはなにかということに力点が置かれている。その分歴史的な事件について、新しい情報や解釈は少ない。その点で詳しい通史、あるいは斬新な解釈を交えた解説書という分類ではない。どちらかといえば、あまりイスラム教を知らない人を対象とした入門書と思う。私にとっては、意外にも久しぶりの初期イスラム教を扱った内容で、すっかり忘れてしまった事を勉強し直すのに手軽な一書だった。

 手軽という点は、歴史ものとしては物足りないということを含んでいる。アッバース朝崩壊後、その外側の南ロシア、中国、東南アジア、サハラ以南のアフリカといった地域にどのように拡大していったのかという点、詳しく触れてもよかったのではないか。また、最後の1章は特に内容が薄いと思うが、この点を扱っている本は他にいくらでもあるからということかもしれない。本書の企画的にはこのくらの軽さ重さでよいということだろうか。


 なお本書は歴史を謳った本であるので、イスラム教の日常的な部分にはほとんど触れていない。イスラム教の理解という意味では、イスラム教徒の生活を扱ったような内容の本を併せて読まれることをお勧めしたい。

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2006年11月26日

始皇帝と彩色兵馬俑展

 京都文化博物館で開かれている「始皇帝と彩色兵馬俑展 〜司馬遷『史記』の世界」を見に行ってきた。国内で以前に兵馬俑展をどこかで見たような気もするのだが、ハッキリとした記憶がない。ひょっとしたら、1990年に現地で見て以来なのかもしれない。

 現地見学も16年も前のことなので、既に記憶はあやふや。1号坑を見学してその広さに驚いたのと、墳丘に登って眺めが良かったのは覚えている。

 目の前で俑を見ると、本物がそこにある感動がちょっとある。タイトルにもあるように、今回の展示の目玉は彩色が残った状態で発掘された「跪射俑」。立ち膝の姿勢で、右脇に弩を抱えているようなポーズを取っている。この彩色を復原したCG映像も見られる。

 展示物に限っていえばやや地味で、是非これはという物はないというのが正直なところ。小物ではあったが、ちぎって使う金板は初めて見たと思う。また、白玉製の仙人の乗った馬も良かった。

 展示全体で見ると、解説はわりと丁寧で充実していた。とくに前漢景帝の陽陵については全く知らなかったのだが、最新の発掘成果が解説されていて良い勉強になった。日本画が展示されていたのが、よくわからない。

 200ページ超とやや重たい図録を購入してきた。監修者である鶴間和幸氏の解説文が掲載されている。

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2006年11月25日

11月25日収集資料

 今月の週末としては一番の好天となり、街は夜遅くまで観光客が溢れていた。私はというと、大谷大学で開かれた日本モンゴル学会での発表を聞きにでかけた。午後1時から5時半までの短時間ながら、発表者7名と過密で、もう少しじっくりと聞きたかったように思う。

 内容は順に以下のとおりで、発表資料を有り難く頂戴してきた。

沈衛栄
 チベット・タントラ仏教のモンゴル流伝に介在する西夏仏教について

ジャルサン
 『6世ダライラマ伝』とアルシャー南寺

ボルジギン・ウルジ
 モンゴル語の所謂自動詞受身について

王慶憲
 漢の武帝による「属国復増」とその位置と数

ボインデルゲル
 『清内閣蒙古堂档』
 ---その編輯と整理および学術的価値簡介---

松田孝一
 モンゴル帝国時代の末子相続について
 ---トルイ家を中心として---

アヨーダイ・オチル
 ハルハの北の7オトグについて

 沈氏の発表は、西夏仏教がモンゴル帝国の仏教に与えた影響についてのもの。ストーリー的にはなかなか興味深い。

 『清内閣蒙古堂档』は、昨年出版された全22巻からなる本のタイトル。中身は、清朝時代17世紀から18世紀にかけてのモンゴル、チベット、ロシアに関わる行政文書群の影印で、満州文字、モンゴル文字で書かれたものが2000点以上あるとのこと。恐ろしく膨大な一次資料の山だ。

 松田氏の発表は、チンギス=カンの財産が、末子相続によってトルイ、アリク=ブケ、メリク=テムルへ引き継がれて行ったというもの。大変興味深い内容なのがだ、全く時間が足りなかった。改めてなんらかの形で世に出ることを期待したい。


 この他に出張書店にて買い物。西夏とあるので買ったのはいいが、当分活用できそうにない・・・

元代西夏遺民文献「述善集」校注
焦進文・楊富学 校注
ISBN7-226-02502-7
甘粛人民出版社 2001.11

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2006年11月24日

東洋史研究(62巻4号)掲載論文雑感

 先日入手した東洋史研究の第62巻第4号(2004年3月発行)には、以下の4つの論文が掲載されている。

 毛利英介
  一〇七四から七六年におけるキタイ(遼)・宋間の地界交渉發生の原因について
  ---特にキタイ側の視點から---

 阿部幸信
  嘉禾吏民田家ヒツ「丘」再攷

 森部豐
  唐末五代の代北におけるソグド系突厥と沙陀

 クリスチャン・ダニエルス
  雍正7年清朝によるシプソンパンナー王國の直轄地化について
  ---タイ系民族王國を搖るがす山地民に關する一考察---

それぞれに感心させられる一論で、多少思う所があるので書き留めておく。

 毛利氏の論文は、1070年代に契丹と宋の間で行われた国境交渉の原因を考証したもの。西夏の隣接地の話でありながら、私自身は地域的な事情、背景について全く情報を持っていなかった。その点たいへん勉強になった。西夏のことを考えて行く上で、契丹についての情報ももう少し集めていかなくてはならないと思う。

 阿部氏の論文は、タイトルだけ見るとなんだかよく分からないのだが、実は三国時代の呉の地方制度を扱ったもの。この論文の素材として使われているのが、先日のブログ(突厥についての論文と古文書)でも触れたような新出の文字資料の一つで、湖南省の長沙で1996年に出土した三国時代の『走馬楼呉簡』。この資料を使った研究はまだ始まったばかりのようだ。それなりに三国志にはハマった経験があり、今後の進展を楽しみに待ちたい。

 森部氏の論文は、唐から五代にかけてのソグド系の人々の動きを追ったもの。この論ではその舞台として、陝西省北部から寧夏自治区にかけてのオルドス南縁地域がでてくる。時代的には西夏建国に先立つ200年から350年前といった時代。オルドス南縁は、まさに西夏勃興の地であり、西夏から見てそれほど遠い昔の話でもない。そう考えると、森部氏論文がより身近に見えて来る。

 ダニエルス氏の論文は、清の時代の雲南最南部における現地勢力と、中央との関係の変化についてのもの。「シプソンパンナー」とは、シーサンパンナの名で知られる雲南の代表的な観光地。なんと、たかだか60年ほど前までシプソンパンナー王國と呼べるような小王国が存在していて、間接統治が残っていたのだとか。この時代のこの地域については、今まで全く読んだことがなかったので、かなり新鮮で驚きだった。

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2006年11月22日

突厥についての論文と古文書

 最近入手した大阪大学の鈴木宏節さんの突厥についての論文、

 突厥阿史那思摩系譜考
  ──突厥第一可汗国の可汗系譜と唐代オルドスの突厥集団──

 三十姓突厥の出現
 ---突厥第二可汗国をめぐる北アジア情勢---

を読んだ。論文の内容そのものについてはここでは踏み込まない。書き留めておきたいのは、論文の元になった素材の話。

 「突厥阿史那思摩系譜考」は、1992年に発見されたという阿史那思摩自身の墓誌を、「三十姓突厥の出現」では、1990年代以降に行われたモンゴルにある突厥碑文群の現地調査の成果などを利用して、突厥の歴史を見直そうというものだ。

 中国やその周辺で発見された文書類といえば、20世紀初頭の敦煌文書やカラホト文書がまず思い浮ぶのだが、最近でも新たな発見や新資料の公開などが続いている。その量は相当に多く、恐らくは研究が追いつけないほどの量と思う。

 このブログで今までに取り上げたものでいえば、『睡虎秦墓の竹簡』や『里耶秦簡』(項羽と劉邦の時代)、『寧古塔副都統衙門档案』(清朝のアムール政策と少数民族)といったものがある。西夏関連でいえば、最近整理公開されつつあるのが、ロシアの探検家コズロフに由来するカラホト文書。また、西夏前史になるのだが、墓誌も発見されている。

 こういった古文書類が新たに、しかも多量に研究材料に加わるということは、日本史ではあまりないことではないだろうか。今後の大陸の歴史研究の中でとても楽しみなところだ。

 もちろんそのような研究は既に色々存在し、その成果についても興味深いものに随分とお目にかかっている。そういった中で鈴木さんの論文は、突厥史の割とコアな部分についてのものであった点、自分にとっては驚きだった。


 突厥はモンゴル帝国に650年余り先駆けて登場した草原の国。隋、唐はもとより、ビザンチンやササン朝ペルシャ、黒海の北にあったハザールなど、西方の国々とも関係を持つなどチンギス=カンの時代を上回る雄大な帝国だった。その割には一般的なイメージは、秦漢に対する匈奴、隋唐に対する突厥のような視点からあまり遠くないのではないか。今後様々な研究の進展によって突厥についてのイメージは、どのように変わって行くだろうか。

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2006年11月21日

(書評)カイアシ類・水平進化という戦略

NHKブックス 1069
カイアシ類・水平進化という戦略
海洋生態系を支える微小生物の世界
大塚 攻 著
ISBN4-14-091069-0
山川出版社 2006.9

 本書では、系統分類をベースにしながら、進化史や生態などを通してカイアシ類のことをを広く紹介している。カイアシ類が多様であるということが一つのテーマであり、そのことは本書のタイトルの「水平進化」という言葉に込められている。進化のことも語られているが、それはカイアシ類は何なのかということの一面にすぎない。様々に異なるスタイルを持つカイアシ類の具体例が多く取り上げられていて、いかに多様であるかがよく分かる。

 正直言って、この本を読むまでカイアシ類がなんなのか全く知らなかった。表紙のイラストから動物プランクトンらしいこと、エビやミジンコに似た甲殻類らしいことは分かる。

 そもそもなのだが、プランクトンというものが特定の生物種を指すのでないことを改めて認識した。

プランクトンを「微生物」と解釈している人が多いが、大きさは問題ではない。その遊泳能力で定義されており、遊泳能力ゼロか、ごくわずかな水中浮遊生物群の総称だ。(本書4頁より)
したがって、大型のクラゲも含まれるということになるのだそうだ。

 いかにこの生き物について無知だったことか。この点で本書は、今年自分にとって一番驚きな一書といえる。小型の甲殻類なのだからカイアシ類は全てがプランクトンなのかといえばそうではないとのこと。浮遊せずに海底で暮しているものもいるれば、動物や植物に寄生しているものも多いという。中には魚の血管に頭を突っ込んで血液を啜っているものまで。だから食べ物も植物プランクトンだけでなく、それ相応に多様なことになる。

 本書はカイアシ類についての入門書だ。専門用語の多用は避けられており、必要な用語の解説も丁寧。自分の知らない生き物の世界に踏み込んでみたいと思う向きにはお勧めしたい。

 一つ難点がある。多様である分だけ、沢山の種類がいて、それぞれに名前がついている。残念ながらその名前に馴染みがないので、それぞれの種類をイメージすることが難しい。これは全く仕方がないことなのだが。この点を気にせず流して読んでも十分に楽しめた。機会があったら、図鑑でも見ながら再読してみようと思う。

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2006年11月20日

11月20日購入書籍<興亡の世界史>


興亡の世界史 第6巻
イスラーム帝国のジハード
小杉 泰 著
ISBN4-06-280706-8
講談社 2006.11

 杉山正明氏の前著に次の執筆を臭わす一文があったのだが、このシリーズのことだったのか。ジハードという言葉を最近の流行りの様にタイトルに噛ませてあるのがどうも、思わず避けて通りそうになった。新しいイスラム関係の解説書が読みたいと思っていたのでとりあえず買ってみた。

 この本は講談社の興亡の世界史というシリーズの最初の一冊。全21巻。1月から毎月1冊配本されるとのこと。

 リストを見ると、ほぼお馴染みの著者で一部若手という感じか。タイトルからわかるとおり、世界史を広くカバーした通史、全史ではなく、テーマを絞って一人(一部二人)の著者が書いたという方向のようだ。

 林俊雄先生の第2巻 「スキタイと匈奴 遊牧の文明 」、森安孝夫先生の第5巻「シルクロードと唐帝国」、杉山正明氏の第9巻「モンゴル帝国と長いその後」は買う予定。他に第10巻「オスマン帝国500年の平和」、第17巻「大清帝国と中華の混迷」にも興味あり。あとは出てから考えるが、守備範囲から遠い所や興味が無い所は買わない予定。

 今月はもう一冊、生井英考著、第19巻「空の帝国 アメリカの20世紀」が出ていた。1月の配本は、森谷公俊著、第1巻「アレクサンドロスの征服と神話」。

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2006年11月19日

11月19日収集資料

 だいぶ寒くなってきて、近所の楓や欅がだいぶ色付いた。京都の紅葉はそろそろピークかと思うが、2日続けて生憎の天気。楽しみにしていた人達は、大変だったのでは。今年最後の西夏語の勉強会があって外出したが、それでも駅と電車は人で溢れていた。

 勉強会のおり、会長よりロシアで行われた西夏関係の学会の発表資料を頂戴した。ありがとうございます。クチャーノフ、史金波、白濱、李笵文といった大御所の名前が並んでいる。

 以下に中国文と英文のものについて一覧を書き出しておく。なお簡体字は基本的に書き直している。

瀋衛榮
 初探蒙古接受蔵伝仏教的西夏背景

史金波
 黒水城出土西夏文社会文書初探

白濱
 新世紀開端的中国西夏学

陳炳應/梁松涛
 黒水城的歴史地位及其廃棄荒漠化的新認識

林英津
 西夏語「空間位移」的表述

李笵文
 漢語対西夏語的影響

孫伯君
 西夏新訳仏経中的梵漢対音規則

岳鍵
 西夏楽器匯考

ARAKAWA Shintaro
 On the "Tibetann-style" Tangut sentences in some Buddhist materials

Ruth Dunnell
 'Like Leaves Dissolving in the Ditch':The Tangut Diaspora in the Yuan

Nie Hongyin
 A Hypothesis of Final Consonants in Tangut Language

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2006年11月18日

シンポジウム、購入書籍

 午後から京都駅の南にあるホールで行われた、京都橘大学主催の東アジア文化財シンポジウム「シルクロードの道II」を聞きに言って来た。講師は以下の4名。英語の通訳付き。

 キラ・サモシューク
  (Kira Samosyuk、ロシア・エルミタージュ美術館中央アジア室)
 天野幸弘氏(朝日新聞大阪本社記者)
 猪熊兼勝(京都橘大学教授)
 弓場紀知(京都橘大学教授)

 目当てはサモシューク博士で、「エルミタ−ジュ美術館蔵カラホト城出土の仏教絵画」のタイトルで、かなり奇麗な仏教絵画の映像を見ながらの解説が続いた。内容は市民講座というレベルにしては濃く、仏教用語が飛びまくりでちょっと付いて行きかねたが。なかなかお目にかかれない絵画ばかりだったようで、良い勉強になった。


 こんな機会でもないと京都駅の南まで出ないので、普段寄らない本屋を探索。


ちくま新書 618
百姓から見た戦国大名
黒田基樹 著
ISBN4-480-06313-7
筑摩書房 2006.9

 前に読んだ著者の戦国 北条一族(新人物往来社)が良かったのと、内容に惹かれて購入。

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2006年11月15日

業務連絡

 一部関係者の皆様m(_^_)m
 年内上京計画について、先日、カザフ音楽愛聴者さんよりアナウンスのあったオロンスム文書のシンポジウムについて、興味がありどうしようかと思っていたのですが、

 2006年度白東史学会大会(關尾史郎のブログより)

・・・という情報があり、プレ西夏関係史の論文を発表されている岩崎力氏の発表があるということで、これに合わせて上京しようかと思います。
大会後について、なにかございましたらご一報くださいm(_^_)m

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2006年11月14日

11月14日購入書籍

史学雑誌
第115編第10号
ISSN 0018-2478
史学会 2006.10

 掲載内容は以下のとおり

<論文>
鈴木宏節
 三十姓突厥の出現
 ---突厥第二可汗国をめぐる北アジア情勢---

<研究ノート>
橋本資久
 ヘレニズム時代初頭アテーナイの顕彰制度の変容
 ---megistai timaiをめぐって---

若月剛史
 政党内閣期(1924〜1932年)の予算統制構想

<書評>
多和田雅保
 渡辺尚志著『藩地域の構造と変容---信濃国松代藩地域の研究---』

劉傑
 川島真著『中国近代外交の形成』

山辺規子
 高山博・池上俊一編『西洋中世学入門』


 学会誌など定期的に刊行されている論文掲載誌はそれなりに気になるのだが、定期購読しているもの以外は刊行周期も知らないし、掲載されている論文が自分の守備範囲かどうかという情報も、特に新刊だとなかなか分からなかった。今までであれば偶然本屋や図書館で出会うか、刊行元のサイトにアクセスして確認するかしかなかった。ただ、刊行元のサイトは、商業系サイトに比べればペースが遅く、新刊の情報が載るのは遅れることが多い。

 この点は私のように野にいる者にとって悩みのひとつだったわけだが、今年になってその環境は大幅に変わって来ている。一番大きな点は、自分の守備範囲に近い第一線の研究者が相次いでブログを開き、タイムリーに収集資料を記録するようになったこと。

 ブログにはRSSといった機能が標準装備されているので、手ごろなソフトで簡単に自動巡回ができる。情報発信の中心がブログになりつつある昨今、趣味に限らずとても重宝している。

 この史学雑誌については、新潟大学の關尾史郎氏の「關尾史郎のブログ」、および弘前大学の松井太氏の「Abita Qur」で知ることができた。一言お礼を添えておきます。「どうもお世話になっています、今後ともよろしくお願いしいます。」

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2006年11月13日

(書評)昆虫---驚異の微小脳

中公新書 1860
昆虫---驚異の微小脳
水波誠著
ISBN4-12-101860-5
中央公論新社 2006.8

 昆虫を扱った本を読むのは、記憶がある限り初めて。昆虫の本といってもファーブル昆虫記のように生態を扱ったものではない。タイトルにあるとおり昆虫の脳のことが中心になっている。

 本書によると、ヒトの脳には1000億の神経細胞があり、昆虫はその10万分の1以下、100万ほどであるという。小さいことは小さいのだが、それでも針先程しかない脳に100万からの神経細胞が集まっているというだけでも、なかなか興味深い話だ。

 本書は11章よりなるが、3〜10章は以下の各内容について、研究成果から具体的な働きを脳を中心について説明している。

 3 複眼は昆虫の何をものがたるか
 4 単眼はどんな働きをしているか
 5 空を飛ぶしくみ
 6 匂いを感じるしくみ
 7 キノコ体は景色の記憶に関わる
 8 匂いの学習と記憶
 9 ミツバチのダンス
 10 ハチやアリの帰巣と偏光コンパス

 複眼や神経系といった昆虫の身体についてやダンス、帰巣といった行動の話は高校の生物で勉強した記憶が残っている。キノコ体というのはこの本で初めて教わったが、昆虫の脳の中でも特に重要な部分であるらしい。

 それにしても凄い話と思うのは、大きさ1mmに満たない脳について、研究によってはかなり具体的にミクロな構造が解明されているという点。
眼から入った情報がどの神経細胞を伝わって行くのか、記憶にどこが関わり学習したことがどういう結果につながるのか、といった具合。

 このような内容なので、本書は昆虫についてとはいえかなり専門的な範囲を扱っている。また、ごく直近の研究成果も取り上げており最先端の話でもある。

 ただし、脳そのものの話に限定しいるのではなく、昆虫の行動との関係から説いているので、決して理解不能な世界というわけではない。その点筆者が前書きで述べているように、平易で分りやすいように解説する努力がみられる。内容的に避けられない専門用語があり、捉え難い部分があるのはやむを得ないと思う。

 昆虫の行動について、解剖学的、あるいは生理学的な解明がどの程度進んでいるのか、最先端の世界を垣間見ることができるという点、日頃自分にとって触れることのない世界のことでもあり、十分に面白い一冊だった。機会があれば類書を少しあたってみたいと思う。

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2006年11月12日

11月12日購入書籍

 山城に登りに出かけようと思っていたのだが、昨日が雨だったので中止。かわりに知人から招待券をもらっていた特別展を見に出かけた。大阪府立近つ飛鳥博物館で開催されている『応神大王の時代---河内政権の幕開け---』。

 展示内容は、国内各地の古市古墳群と同じ頃の古墳の紹介と遺物の展示。紹介文にはそれなりに突っ込み所もあるのだが、古市古墳群に先立つ古市東隣の古墳群についての紹介が勉強になった。

 行ったついでということで、図録を購入。

 帰りに書店を散策。結構収穫があったのだが、国内ものが多かったな・・・


歴史群像シリーズ特別編集
戦国の堅城II
ISBN4-05-604180-6
学習研究社 2006.1


近江城郭探訪
合戦の舞台を歩く
滋賀県教育委員会編
ISBN4-88325-310-4
サンライズ出版 2006.10

 以前から気が向いた時や旅先で城巡りはしていたのだが、戦国山城に絞って登るようになったのはじつは今秋から。だいぶ寒くなってきたが、年内にもう一つ二つ回りたいところ。


シリーズ藩物語
盛岡藩
佐藤竜一著
ISBN4-7684-7107-2
現代書館 2006.11

 なかなかローカルで渋いシリーズだなと思う。盛岡で7つ目で、これまで出たのが一関、新庄、米沢、会津、長岡、高遠と渋いとこ?が多いか。盛岡を買ったのは、盛岡という街に思い入れがあったからで、今のところ他を買う予定はない。



角川選書403
武田信玄合戦録
柴辻俊六著
ISBN4-04-703403-7
角川書店 2006.10

 来年の大河ドラマが山本勘助ということで、武田関係の本が氾濫しているのだが、比較的まともそうに見えたので購入。といって大河を見る予定はないのだが。



ユーラシア・ブックレットNo.51
中・ロ国境の旅
「4000キロ」の舞台裏
岩下明裕著
ISBN 4-88595-461-4
東洋書店 2003.10

 唯一大陸ものの本。新刊ではないのだが、少し前に読んだ清朝のアムール政策と少数民族がふと頭をよぎり衝動買い。

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2006年11月11日

内陸アジア史学会

 今年は開催が2年振りに京都だったので、内陸アジア史学会大会に参加した。以下の各発表および講演の発表資料を頂戴しました。

藤原 崇人
 契丹(遼)時代の菩薩戒思想と『戒本』

舩田 善之
 霊巌寺聖旨碑にみえる蒙文直訳体定型化の過渡期
  ——元代文書行政システムの展開の一齣

入澤 崇
 ヒンドゥークシュ周辺における仏教の拡がり

澤田 稔
 フェルガナ盆地のイスラーム聖地をめぐって

 入澤崇氏の講演は、この秋に行った、いまだ治安の安定しないアフガニスタンのバーミヤン西方地域での仏教遺跡調査についてだった。以前に同様の話を聞いた記憶があると思ったが、2年前の内陸アジア史学会大会での京都大の稲葉穣氏の講演『玄奘の辿った道 — 7-8世紀アフガニスタン史の課題 —』も同じ地域の仏教遺跡についてだったと思う。内容的にも映像的にも興味深いものだった。カラー写真つきの一般書に纏まったら、かなり面白いものになるのではないか。

 また大阪大の鈴木宏節さんより抜き刷りを頂戴しました。ありがとうございます。

鈴木宏節
 突厥阿史那思摩系譜考
  ──突厥第一可汗国の可汗系譜と唐代オルドスの突厥集団──

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2006年11月10日

今日気になったニュース---NHK---

 ここ数日、NHKに対する放送命令についてのニュースが流れている。内容にさほど興味が湧かなかったので見流していたが、今日はいくつかのブログでも取り上げられていたので、自分の今のNHKに対する意見も含めて書いてみる。

 まず、拉致問題放送命令についてのもの。

 NHK、命令に当惑 「すでに手厚く報道してきた」(朝日新聞)

 今日とくに扱いが大きいのは、橋本会長と菅総務相のコメントが出たからということだろうか。朝日新聞には以下のように会長のコメントが載っている。

 橋本元一会長が命令を受けた後、「これまで通り、放送の自主自律を堅持する」などとコメント。
また、上智大田島氏のコメントもある。
 「命令で放送の中身が大きく変わらなくとも、政府がテレビ国際放送などで統制を強める足がかりとなる恐れが十分ある」
 報道の自由に対する危機感、そういう面があるといえばそうかもしれない。ただ、今の自分にとってNHKに対する不信感には変わりが無いので、白々しく思ってしまう。

 以下は今のNHKに対する私の主観的な評価。
  ・アナウンサーの質がかなり低下した
  ・特集や生物モノといった自分が好きだった番組の質の低下と縮小
  ・ニュースが中途半端にワイドショー化して、ニュースソースとして機能しなくなった
  ・三流バラエティー番組が増えた
  ・大河ドラマには期待しない


 今日はもうひとつNHKについてのニュースがあった。

 支払い拒否者に割増金 NHK受信料で総務省検討(東京新聞)

 この中に以下のような記事がある。

 受信料不払いが約3割に上り、視聴者間の不公平感を是正するための措置だが、不祥事が相次いでいるNHKの信頼回復が先決と批判の声も高まりそうだ。
 不祥事のこともさりながら、番組として見る気が大幅に失せていて現状では、受信料を強制する前に内容を改善してくれと強く言いたい。

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2006年11月 5日

八上城と篠山城

 11月にはいっても晴天続き。山に登ってみると2週前に比べると風が少し冷たくなったかとも思う。桜の葉が散り始め、楠が実を落とす音がしたりするものの、楓などの紅葉はまだまだこれからだ。

 11月初めは一転して丹波篠山へ。織田信長に所縁の場所であることは10月に歩いた近江の山城と同じ。信長旗下の明智光秀が丹波に侵攻した際、最も激戦となったのが八上城だった。

 丹波の要地ということで京都府内のイメージが少しあったが、八上城は兵庫県北東部の篠山市にあり、山陰道をひと山東へ越えれば京都府の園部に出るという位置。園部駅から入るバスがある。


 JR篠山口駅からバスで市内へ向かい、まずは篠山城へ。篠山城は、大坂城攻めを前にした1609年に八上城に代わる城として築かれた。実戦を意識して造られたといわれ、本丸を囲む高石垣が特徴の城。もとから天守閣はなく、櫓などの建物も一切残っていなかったが、近年大書院が復原された。

 石垣の他には、外堀の外、入り口を守る大きな馬出が広い水掘とともに残っているのも特徴と思う。写真は南馬出を堀の外から見たところ。


 篠山城を後に八上城へ向かう。市街から東へのんびり歩いて1時間。八上城は、一名丹波富士と言われる標高462mの高城山の上にある。山麓から見上げるとピラミッド型の山容が迫る。麓の標高は220mほどなので、比高は250m近い。

 山の北麓、表通りから入ったところに春日神社がある。神社周辺には杉林の中に平地が拡り、往時には城主の居館が建っていたという。八上城への登城道はいくつかあるが、春日神社の裏手から入る道もあり、これを登った。

 尾根に出る手前など所々に急坂があるものの、麓から山頂の本丸跡まで獣道よりもしっかりした遊歩道が整備されていて、迷うことはまずない。休まずに登れば、ゆっくり歩いても30分ほどで征服できる。登る途中にも小さな郭が所々に残り、眼下に霞んだ篠山盆地が拡がるのが見える。

 本丸は上空に空が拡がっていて明るい。昭和初期に建てられた『波多野秀治公表忠碑』が建つ。

 本丸を中心にいくつかの郭が連なり、広い空間をなしていて、本丸には石垣も使われている。

 春日神社からの登り口の他にも、藤の木口、野々垣口といった道が良く整備されている。

<参考>
八上城周辺の地形図
篠山市のHP

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2006年11月 3日

11月3日購入書籍

 秋晴れの三連休初日、行楽客でごった返す人込みを抜けて、本探しにでかけた。

 まずは西夏関係の一冊。昨年、李範文氏によって纏められた、巻末資料まで含めて700ページを越える大著。中国語がスラスラと読めるのであれば、これ一冊で西夏関係の歴史(前史としてタングート族の歴史、後史として西夏遺民の内容を含む)に詳しくなれるとは思うのだが・・・

西夏通史
李範文主編
ISBN7-227-02974-3
寧夏人民出版社 2005.5


 『東洋史研究』のバックナンバーを見つけたので、面白そうな論文を含むものを購入。
第60巻第2号(2001年9月)
掲載論文
 山口正晃
  都督制の成立

 岩本篤志
  北齊徐之才『藥對』考

 本野英一
  辛亥革命期上海の中英債權債務處理紛爭
  ---一九一〇年「ゴム株式恐慌」後の民事訴訟例分析---

 志茂碩敏
  ガザン・カンが詳述するモンゴル帝國遊牧部族連合
  ---モンゴル帝國各ウルスの中核部族---


第62巻第4号(2004年3月)
掲載論文
 毛利英介
  一〇七四から七六年におけるキタイ(遼)・宋間の地界交渉發生の原因について
  ---特にキタイ側の視點から---

 阿部幸信
  嘉禾吏民田家ヒツ「丘」再攷

 森部豐
  唐末五代の代北におけるソグド系突厥と沙陀

 クリスチャン・ダニエルス
  雍正7年清朝によるシプソンパンナー王國の直轄地化について
  ---タイ系民族王國を搖るがす山地民に關する一考察---

 Mori Masao, translated by Martin Heijdra
  Town Gazetteers and Local Society in the Jiangnan Region during Qing Period


 京大近くの知恩寺では、恒例秋の古本市が1日から開かれており、半日かけて境内を一周した。

東西交渉旅行記全集1
中央アジア蒙古旅行記
カルピニ、ルブルク
護雅夫訳
桃源社 1965.4

 モンゴル帝国グユク、モンケ時代のヨーロッパ人による旅行記の邦訳。


漢民族の研究
---中国人のルーツ---
呉主恵著
マルジュ社 1989.1

 この手の議論には興味はあるのだが、批判に耐え得るものかどうかはわからない。古本でならと思い購入。


山溪フォト・ライブラリー
シルクロードII
イラン・イラク・シリア・トルコ
山と溪谷社 1973.12

 山溪らしく、奇麗な写真が載っている。ふた昔以上前の中東の香りのする一冊。松田壽男氏の一文が掲載されている。


産報デラックス
99の謎 歴史シリーズ6
シルクロードのすべて
草原の英雄と遺跡文化
産報ジャ−ナル社1977.9

 タイトルを見るとちょっと怪しい?が、写真や図版が多くて結構見て楽しい。加藤九祚先生や長澤和俊氏の一文を掲載。


大モンゴル3
大いなる都 巨大国家の遺産
NHK取材班編
角川書店 1992.8

 同名NHKスペシャル関連本。3は大都の話が中心で、本誌にも復原CGが載る。杉山正明氏の一文を掲載。

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