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2006年12月 9日

白東史学会大会

 東京遠征の目的の一つは、12月2日にお茶の水の中央大学で行われた白東史学会大会の聴講。以下簡単に記録と感想を残しておく。


 中央大学 清水 由里子氏
カシュガルにおける「ウイグル人」の教育運動(1934-37年)

 いわゆる東トルキスタン共和国独立運動の直前から失敗までの時代。新疆およびカシュガルにおける教育運動について、当時の機関紙、イギリス領事館報告、新疆自治区档案から分析している。

 この時代に盛んに教育運動が行われていたということ自体が、自分にとって新しい情報であり、20世紀初頭という時代を考える上で有用な情報と思う。

 また、近代ウイグル族が創出されていく過程という観点について、テュルクという自称がウイグルに変わった時の資料。その際、虚構的なウイグル民族の歴史が作り出されたことを伝える資料が紹介されていたのがかなり興味深い。


 中央大学 森本 淳氏
曹魏政権下の「雍州」

 各種文献と曹真残碑を用いて、三国時代の雍州(現在の陝西および甘粛東部)に状況を分析している。発表者も気にされていたように、資料の多さに比べて消化不良で分析しきれていない状況。

 元三国志フリークとしては、懐かしい固有名詞が多数登場していて楽しかった。物語りから正史に踏み込んだ立場からいえば、時代の背景がより明らかにされていくことは大変興味深い。今後の進展が楽しみと思う。


 元神奈川県立高等学校教諭 岩崎 力氏                  
西涼府潘羅支政権再考

 西夏勃興期における西夏やチベット勢力の論文を数々書かれている氏の発表を初めて聞くことができた。氏は今年退職され、これからは研究に専念されるとのこと。

 本論は、1974年に発表されて自身の論文「西涼府潘羅支政權始末考」を見直したというもの。当時の西涼府(現在の武威)政権の部族構成やその関係、宋朝の関与の有無などについて見直し、さらに踏み込んだ論考をされている。

 西夏時代前後の甘粛西部地方は、その位置付けや経過など知りたいことが多々あるものの、情報はかなり限られている。退職を期に、氏がより多くの論を発表されることを期待している。

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