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2007年3月24日

遼金西夏史研究会 1日目

 関西大学で開かれている遼金西夏史研究会に参加してきた。以下発表内容や頂き物を記録しておく。


●研究発表

唐中期の「賜姓ソグド人」
 福島恵(学習院大学)
 8世紀の唐で、朝廷から国性の「李」を贈られたソグド人についての研究。ソグド人墓誌について取り上げている。安、康、史とった文字が姓として書かれていると説明なしにソグド人(実際には裏付けがあるとは思うのだが)と書かれているものを良く見かけるが、確実なもの、可能性のあるもの、不明なものに分類しているものを初めて拝見した。

宋代における羊交易---遼・金・西夏との関係を中心に---
 塩卓悟(関西大学)
 各種文献から羊についての記述を集計して、宋においての羊肉消費の動向などについての研究。初めて聞く内容で、宋の時代にかなり羊を消費されていたという点、なかなか興味深い。宋政権がもともとソグド系軍閥から起っているから・・・という話ではないのだが、当時は、羊肉食は今よりも一般的だったようだ。

敦煌チベット文十万頌般若経と写経事業
 岩尾一史(神戸市外国語大学)
 まだ研究が始まったばかりということで、実際に研究の対象となるチベット文で書かれた文書の写しを提示しながらの、その文書群れについての解説。唐後期以降情報の少ない河西地方にあって、チベット文文献がもたらす情報には少なからず期待している。研究が順調に進むことを楽しみにしたい。


●頂き物

環流 inter-action
 研究会の会場となった、関西大学 アジア文化交流センターが発行している冊子。2005年8月発行の1号から2006年12月発行の4号まで。


中世考古学の総合研究
 北東アジア中世遺跡の考古学的研究

 各報告書掲載文について、目次を以下に書き出しておく。

 平成15・16年度研究成果報告書
  報告編
   ロシア沿海地方金・東夏代城址遺跡の調査(木山克彦・布施和洋)
   ロシア沿海地方出土文字資料の調査(井黒忍)
   モンゴル国アウラガ遺跡と周辺遺跡の調査(白石典之・出穂雅実)
   中国内蒙古自治区契丹・遼代遺跡の調査(武田和哉・高橋学而・澤本光弘・今野春樹)
   平成16年度モンゴル国ゴビアルタイ地方現地調査報告(村岡倫)
   クビライ政権時代のチンカイ地方(箚記)(松田孝一)
  論考編
   遼金代の長城について---その目的と機能の比較---(今野春樹)
   金代の銭貨流通(三宅利彦)
   ノヴォボクロフカ2城址の調査(N.N.クラーヂン・Yu.G.ニキーチン)
  資料編
   北東アジア出土官印集成表(稿)(井黒忍)
   契丹・遼代石刻文の調査(武田和哉・高橋学而・澤本光弘)

 平成17年度研究成果報告書
  報告編
   ロシア沿海地方金・東夏代城址遺跡の調査(木山克彦・布施和洋)
   モンゴル国ヘンティ県アウラガ遺跡の調査(白石典之)
   内蒙古自治区契赤峰市管内契丹遺跡・文物の調査(武田和哉・高橋学而・藤原崇人・澤本光弘)
  論考編
   アムール女真文化の土器に関する基礎的整理と編年について(木山克彦)
   耶懶と耶懶水---ロシア沿海地方の歴史的地名比定に向けて---(井黒忍)

 「中国内蒙古自治区契丹・遼代遺跡の調査」と「内蒙古自治区契赤峰市管内契丹遺跡・文物の調査」については、草原の王朝・契丹国(遼朝)の遺跡と文物(勉誠出版)に再編収録されている。


社団法人 情報処理学会 研究報告
 唐代行政地理の概念モデル(牛根靖裕・白須裕之・山田崇仁)
 唐代行政地理のデータモデル(牛根靖裕・白須裕之・山田崇仁)


明日は、ひきつづき第二日目。

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コメント

> 平成15・16年度研究成果報告書
> 平成17年度研究成果報告書

これは興味津々ですね・・・ (@ ̄¬ ̄@)ジュルリ♪(
「北東アジア交流史研究」と照らし合わせて見たいところです。

投稿: 蒸しぱん | 2007年3月25日 23時50分

もうちょっとで2日目の分の報告が書き上がります(^-^;
中にリンク貼ってあります。
かなり重そうですがダウンロードすると入手できます。

投稿: 武藤 臼 | 2007年3月26日 00時38分

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