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2007年3月25日

遼金西夏史研究会 2日目

 昨日にひきつづいて、朝から遼金西夏史研究会に参加。夕べ遅かったんで、昼食後は眠気と戦ってました。すみません・・・


●研究発表

隋末唐初における突厥の活動---第一可汗国後期のオルドの位置---
 斉藤茂雄(大阪大学)
 突厥第一可汗国時代後期の11代啓民可汗から14代頡利可汗の根拠地について考察したもの。陰山南麓でも隋の亡命政権があった定襄周辺の可能性を論じた。季節的な移動や兄弟相続が続いたことを考えれば、広く陰山南麓一帯や北麓についても可能性を考えてもと思ったがどうだろうか。

回帰考据学---西夏佛教文献研究的新動向---
 聶鴻音(中国社会科学院 民族学与人類学研究所)
 ロシア蔵や中国蔵のカラホト文書の整理刊行が進んでいる中で、近年新しい発表がなされている仏教経典研究の動向についての紹介。文献学の必要性を特に説かれいた。西夏語の勉強ちゃんとやるべきだろうか・・・
 
聖彼得堡藏女真文草書残葉匯考
 孫伯君(中国社会科学院 民族学与人類学研究所)
 女真文字の研究発表は初めてお目にかかったと思う。聖彼得堡とはサンクト=ペテルブルグのこと。これもカラホト出土のロシア蔵文書のひとつということらしい。見慣れない女真文字であるうえに草書で書かれているので、自分にはほとんど判読不能だった。

金・東夏の女真城郭の分布
 臼杵勲(札幌学院大学)・木山克彦(北海道大学)
 現地調査に基づく中国東北部、ロシア沿海州、アムール州における城郭遺跡についての分析。金代に遡る可能性のある城跡数百についてGISを用いて現地調査を行ったとのこと。分布などには大きな地域差が見られる。山城歩きをしている身なので、見に行ってみたいという誘惑に駆られる。この発表の内容の一部は、北東アジア中世遺跡の考古学的研究のHP中でで見られる。また、昨日のブログ頂き物に書いた報告書も同HPでダウロードできる。

学会報告:カラホトの環境と歴史に関する国際シンポジウム
 向本健(大谷大学)
 昨年9月にカラホト遺跡のお膝元、内モンゴルのエチナで行われたシンポジウムについての報告。オアシスプロジェクトに関わるもので、歴史系と環境系のべ50名以上の発表が行われたとのこと。とりあえず、いつの日にかカラホトには行ってみたいと思う。

学会報告:第1回サンクト・ペテルブルグ大学国際西夏学会
 荒川慎太郎(東京外国語大学)
 昨年11月にロシアのサンクトペテルブルグで行われた学会の報告。こちらは中国、日本、ロシアなどの10数名が発表したとのこと。荒川さんと聶鴻音氏が、なにも見ずに西夏文字をスラスラと書きながら西夏語の文法について議論するという光景は、他ではお目にかかれない貴重なもの。


 昨日の分も含めて、こちらで発表要旨が見られます(リンクが切れる可能性があります)


●頂き物

中世考古学の総合研究
 中世北東アジア考古遺蹟データベースの作成を基盤とする考古学・歴史学の融合
 平成16・17年度研究成果報告書
 研究代表者 村岡倫

 以下に目次を書き出しておく。

 2004年度モンゴル国調査記録(鈴木宏節・中田裕子)
 モンゴル・日本合同調査団、モンゴル側簡報(原文モンゴル語)(A.オチル・A.エンフトゥル、翻訳 清水奈津紀)
 チンカイ屯田と長春真人アルタイ越えの道---ハルザン・シレグ遺蹟調査の総括---(村岡倫)
 ハルザン・シレグ遺蹟および風塚の実測図面(白石典之)
 クビライ政権時代のチンカイ地区(箚記)(松田孝一)
 元上都故城について(原文中国語)(魏堅・徐光輝、翻訳 中田裕子)
 新発現の漢モ対訳『勅賜興元閣碑』碑片(松川節)
 モンゴル国バヤンホルゴル県発現のブンブグル碑文---8世紀中葉の北アジア情勢を伝える突厥碑文---(鈴木宏節)
 中世北東アジア考古遺蹟データベースの構築(松川節)


 2日間にわたり興味深い話の数々、どうもありがとうございました。

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コメント

こんばんは
おとといの懇親会ではどうもありがとうございました。
さっそくこちらからもリンクを張らせていただきます。

先輩が発表されるのでたまたま参加してみましたが、どの発表も非常に面白かったです。
それから、実は私も大学時代は日本の中世城郭を歩き回っていましたので、女真城郭には非常に興味を覚えました。


投稿: 電羊斎 | 2007年3月26日 19時11分

電羊斎さんこんばんわ、ようこそいらっしゃいませ

こちらこそおつき合い頂きありがとうございます。
飛行機に乗ればさほど遠くない沿海州や満州。女真城郭巡りの為だけの渡航というのもちょっと魅力ありですね。
また、寄ってってください。

投稿: 武藤 臼 | 2007年3月27日 00時13分

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