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2007年3月 3日

反町ハーン

 久しぶりに映画館へ行ってきた。公開初日の「蒼き狼 地果て海尽きるまで」の感想を簡単に。

 この映画は、チンギス・ハンの母ホエルンが、チンギスの父イェスゲイによって略奪されるところから始まり、1206年にチンギスがハンに即位した後、金に攻め込むまでのチンギスの半生を描いたもの。

 見どころの一つは、その舞台となった雄大な草原そのもの。内モンゴルへは行ったことがあるのだが、モンゴル国はまだ未訪。同じ草原といえど、内モンゴルとは随分と違うように思う。そう思って見ていると、一度は行かないとなあとあらためて思った。

 もう一つは一番のクライマックス、ライバルジャムカとの決戦、最初の戦闘シーン。現代のモンゴル軍5000人を動員して、草原が両軍の人馬が埋め尽くされるところはなかなか壮大。単なる人海戦術という以上に、かなり迫力のあるシーンだったと思う。この手の戦闘シーンというと、どうしても両軍入り乱れた乱戦になってしまうし、このシーンもそれを逃れてはいないのだが、チンギス側の一群の部隊が敗走すると見せて馬上で仰け反って矢を射ったシーンに唸ってしまった。


 ストーリーそのものについての感想をひとつ。主人公であるところのチンギスの設定として、ジャムカにはない長者としての魅力をもつ英雄としての一面と、自身と息子ジョチにメルキトの血が流れているかもしれないことに苦悩する人間臭い一面が乖離していて落ち着かない。人間臭く描くあまりにチンギスを矮小化させている。英雄といえども人間臭いという設定はありと思うが、ことこの映画に関しては失敗。

 歴史考証的にどうかというと、突っ込み所が多すぎてあげきれない。あんまりなのでひとつだけあげる。チンギスの息子ジョチは敵の毒矢を受けたとして、金遠征に先立ってチンギスの腕の中で死んでしまう。・・・まあ、そんなとこです。


おまけ1
ブログ見出しは、最近の研究の流れからは「反町ハン」と書くべきかと思うが、映画の設定がチンギス・ハーンなのでハーンとした。

おまけ2
パンフに杉山正明氏が「チンギス・ハーン ユーラシアを席巻したモンゴルの嵐」という一文を寄稿されている。

おまけ3
クラン(フラン)を演じたAra、なかなか良いじゃん・・・ってまだ17歳なのか。非業にも死んでしまったが、父よりも松山ケンイチ演じるジュチ(ジョチ)のほうがなんか良かった。

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コメント

>馬上で仰け反って矢を射ったシーン

ほへー。パルティア式?
日本人がやったんではないですよね?

投稿: 雪豹 | 2007年3月 4日 07時42分

>ほへー。パルティア式?
>日本人がやったんではないですよね?

パルティア式とかあるんですか?
ネタ元とかよく知らんのですが
まあ、間違いなくここはモンゴル人兵士の仕儀と思います

投稿: 武藤 臼 | 2007年3月 4日 09時11分

招待券、じゅうまいほどもらっちゃいました。
どなたか、消化してくださる方はいらっしゃいませんでしょうか?
ねェ、パンさまあたり。
むとうすさまにも、何度も観たい、というのでしたら、どうぞ。

投稿: モンゴル伝統音楽愛聴者 | 2007年3月 5日 19時37分

モンゴル伝統音楽愛聴者さん、こんばんわ

あらあらあらあら・・・
その筋の趣味人が集まって、突っ込みまくる
・・・というような企画が成立するなら、もう一度見にいってもいいかも(笑

投稿: 武藤 臼 | 2007年3月 6日 00時39分

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ジャムカ:わしがたった一人の王になるッ! 部民:オウ! く、くだらねえええ。しかし笑ってしまった以上、こちらの負け…。潔く敗北を認めよう(かといって絞殺はやめてね)。 戦闘シーンがとても良かった。弓主体で槍を多用してる所が好感が持てる。あと馬から落ちても割と平気っぽいところとか。モンゴルの草原を騎馬の軍団がドドーッと移動するところとか…。... [続きを読む]

受信: 2007年3月29日 00時18分

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