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2007年6月 9日

信州まつもと(松本)空港

 松本空港利用者増へ新対策 搭乗回数に応じ商品券贈呈(信濃毎日新聞)

 この記事によれば、松本空港はMD87型機引退のため今年秋から1日6便から1日4便へ減便となる。信州まつもと空港利用状況にあるように、1998年以降一番利用されたのは札幌便である。それでも航空会社側の意向は廃線だったわけだ。この減便を受けて松本空港の利用者は、今年度が10万人、来年度が8万人を割るのはまず間違いない。

 利用状況をもう少し詳しく見る。松本空港の最盛期、1997年頃には大阪便に加えて札幌、仙台、広島、福岡便があり、1日5往復10便飛んでいた。1996年には年間26万人の利用者があったが、10年あまりで半減以下というのは寂しい限りではある。


 ただ、利用者が激減している理由は極めてはっきりしている。飛行機以外に便利な足がいくらでもあるからだ。飛行機の事前購入割引が利用できるように、1ヶ月後の平日に長野と松本から札幌、大阪、福岡へ行く場合を想定してみる。料金はいずれもバス電車代込み。

長野から札幌
 松本空港利用:長野駅発11:08→札幌駅着16:55、34940円
 羽田空港利用:長野駅発11:09→札幌駅着16:25、25300円

長野から福岡
 松本空港利用:長野駅発8:08→福岡空港着13:30、23600円
 羽田空港利用:長野駅発7:55→福岡空港着12:15、25960円

長野から大阪
 松本空港利用:長野駅発13:08→伊丹空港着17:05、15750円
 鉄道利用、名古屋乗り換え:長野駅発12:50→新大阪駅着16:49、10700円

松本から札幌
 松本空港利用:松本駅発13:10→札幌駅着16:55、34280円
 羽田空港利用:松本駅発12:54→札幌駅着19:25、24040円

松本から福岡
 松本空港利用:松本駅発10:10→福岡空港着12:15、22940円
 中部国際空港利用:松本駅発9:51→福岡空港着15:20、18510円

松本から大阪
 松本空港利用:松本駅発14:45→伊丹空港着17:05、15090円
 鉄道利用、名古屋乗り換え:松本駅発14:43→新大阪駅着17:49、9550円

 長野から福岡へ行く場合、羽田福岡便の割引がそれほでもなく、松本空港を利用した場合よりもやや高くなるが、時間を考えればそれほどの大差ではない。札幌の場合の料金差が大きいのは、羽田札幌便の割引率が大きいから。その点で、松本空港発着の便に割引があまりないのは致命的。

 飛行機の割引率は季節による変動が大きく、上の計算は一番安い場合なので正確にはより多くの数字を比べなければならない。ただ、大阪行きの場合鉄道の通常料金なのでこれは変動しない。その点で大阪便に利用者がいることは不可解ですらある。


 もう一点重要な問題がある。松本空港を利用した場合、一日に一便しかないのでそれに予定を合わせる以外に選択肢はないが、他の手段を使った場合には時間的にも選択肢が広がること。以下はいずれも各ルートの最早と最終。

長野から札幌:長野駅発6:00→札幌駅着11:25、長野駅発17:41→札幌駅着23:29
長野から福岡:長野駅発6:00→福岡空港着10:50、長野駅発17:09→福岡空港着21:55
長野から大阪:長野駅発6:10→新大阪駅着10:19、長野駅発19:31→新大阪駅着23:23

松本から札幌:松本駅発6:02→札幌駅着12:20、松本駅発16:59→札幌駅着23:29
松本から福岡:松本駅発7:07→福岡空港着11:40、松本駅発16:42→福岡空港着21:55
松本から大阪:松本駅発7:07→新大阪駅着10:19、松本駅発20:22→新大阪駅着23:23

 上記の最早と最終の間には、おおむね1時間に1本は電車も飛行機もあるので、チケットさえ入手できれば都合の良い時間に乗れば良いわけだ。松本駅発の場合、松本空港利用の方が早いのは当然なのだが、一日の有効時間帯を考えるとそのメリットはかなり小さくなると思う。

 以上を総合すると、生き残るためと考えれば、割引率が悪くなる観光シーズンの札幌便、名古屋周りでは時間のかかる福岡便に多少の目がある。しかし、鉄道も高速道路もあり、さらに税金を投入してまで飛行機を維持する必要があるか疑問がある。また、無くなる不便はそれほど大きくないと自分は考える。


 1990年代から航空関係の規制緩和が進み、割引切符の利用が当たり前になってきた昨今、便利な空港に飛行機も客も集中する傾向が続いているように思う。且つては華やかだった地方空港どうしの直行便も随分少なくなった。もはや一日一便の飛行機を有り難く使う時代ではないのだ。

 離島ではなく、高速道路が通り、新幹線も利用できる。飛行機以外は便利だからこそ松本空港の利用者が減り続けている。いかにして利用者を増やすかという次元ではなく、税金をかけてまで利用促進をする価値があるのか、定期便がなくなった場合はどうするのか、という議論をすべき次元にあると自分には思える。


 参考に国土交通省の航空輸送統計調査2005年度の集計をさらに集計し、離島以外で年間の利用者が20万人以下の空港を並べてみる。

 能登空港 15万人
 大館能代空港 15万人
 南紀白浜空港 13万人
 松本空港 12万人
 石見空港 8万人
 天草空港 7万人
 オホーツク紋別空港 5万人
 但馬空港 3万人

 同じ石川県内に小松という便利な空港がある能登空港。特急電車で大阪まで3時間弱の但馬空港、松本空港以外の5空港は、替わりの交通に難がある空港だ。

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