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2007年7月28日

DVD チンギス・ハーン

チンギス・ハーン
製作 内蒙古仕奇集団、内蒙古電視台
販売元 コニービデオ
ディレクター 王文杰
キャスト
 テムジン 巴森(巴森扎布、バーサンジャブ)
 ホエルン 薩仁高娃(セレンゴワ)
 ジャムカ 趙恒ケン(ケンは火編に宣)
 ボルテ  索利忠
 イェスイ 鄭爽

 チンギス・ハンを主人公とした中国製大河ドラマ。一話40分、全30話。大分前に衝動買いしたDVDをやっと見終わった。わりと史実に近い形でチンギスを人間臭のある英雄として描こうという意欲が感じられる作品。

 先の角川の映画と比べてもしょうがないかとも思うが、チンギス・ハンの生涯を描くにはこれくらい必要だと思う。これでも細かいエピソードは随分と省かれている。映画が金朝攻撃までの半生、こちらが誕生前から死までの生涯という違いはあるが、半生といえど2時間で足りないのがよくわかる。

 歴史という点でいうと、晩年の方が間違い(たぶん一部は確信犯)が目立つ。とりあえずドラマだからと笑っておくが、細かい部分がどうだったかと本をひっくり返すのは結構楽しい。元朝秘史にベッタリというわけでもないようだが、ジャムカとの十三翼の戦いとか、ケレイトとの敗戦とかのエピソードはこのくらい描かれていれば自分的にはOK。トゥマト族征服のエピソードとかはまあいいかの内。

 気になることというと、内モンゴル製なので全員中国語であること。トルコ系だろうと漢族だろうと女真族だろうと通訳なし。普通の会話はあまり気にしてもしょうがないと思うが、中国語発音での固有名詞はちょっと厳しい。名前も厳しいが地名も厳しく、たぶんその影響で一部日本語字幕にも間違いがある。

 もう一点。豊泉堂雑記とかで大河ドラマの戦闘シーンの粗さが再三話題になっているが、本作品も戦闘シーンはほとんど乱戦。もう少し組織的な戦いを見たいのは無理な注文か?

 主演のバーサンジャブは大河ドラマ北条時宗でクビライ・ハーンを演じている。青年の時から貫禄大有り。ホエルンの演技、特に晩年とか結構良かった。ネットで名前を検索していたら、Abita Qurに行き当たったのだが、ひょっとして同一人物なのか?ジャムカも好みだが、ムカリ国王とジェベ、ホラズム朝のジェラール・ウッディーンとかも格好良い。

 チンギス・ハンの孫世代では、西征から帰還した時のエピソードどうりにモンケとクビライが出るかと思ったが出ず。替わりににチンギスに可愛がられていたが西征で戦死したチャガタイの息子モエトゥゲン、ジョチ病死直前のシーンでバトゥが登場した。

 最後は西夏遠征で終わるのだが、西夏は城以外には人も文字も登場しなかった。

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コメント

わーん、おもしろそうなの見てる~!
し、しかし、30話って長いですね(でも1200分なら射ちょう英雄伝と同じくらいか)。
角川のなんかどんな筋だったかさえもはや覚えてないけど、1200分でも抜けている挿話があるとすれば、やっぱり、2時間程度で映画化するとしたら、半端にダイジェスト版でなくて、一エピソード、しかし、それがチンギスの人となりを語り尽くすような濃いヤツをお願いしたいですね。

…固有名詞にピンと来るほどこの時代に詳しくないので、私が見てもツッコミどころがないかも?

投稿: 雪豹 | 2007年7月29日 19時28分

最初はいまいちかなと思ってみてたけど
テムジンが大人になってからはかなり楽しく見られましたね。

>1200分でも抜けている挿話があるとすれば
西征部分は、ドラマ的にはそこそこ見せ場があるけど、歴史的な流れからするとかなり省かれてる印象がありますね。これは構成的にはしょうがないというか、面白くしようとするとそうなるかなという気はします。

>一エピソード、しかし、それがチンギスの人となりを語り尽くすような濃いヤツをお願いしたいですね。
徳川家康の生涯を関ヶ原の戦いに絞ってやるとか?
それだとテムジンのばやい、どこに絞れば面白いかな

>…固有名詞にピンと来るほどこの時代に詳しくないので、私が見てもツッコミどころがないかも?
「你好」「謝謝」も気にはなるけど、やはし、中国語訛りの固有名詞は気になります。字幕見れば、ああ・・・と思うけど、字幕が間違ってたひには暫く悩みます(笑

投稿: 武藤 臼 | 2007年7月29日 23時24分

>それだとテムジンのばやい、どこに絞れば面白いかな

これ、人によって違いそうだから、多くのモンゴルファンの思い入れたっぷりの意見を聞いてみていけど、そういうの一括して聞く場所がないっすよね。

>「你好」「謝謝」も気にはなるけど、やはし、中国語訛りの固有名詞は気になります。

いっそのこと広東語で…香港映画じゃないから無理か。そもそも気付かないといけない辺りが難易度高そうだなぁ>じぶんにとって
きっと、ロシア産戦争物の字幕で「ギムレルって誰? …って、ヒムラーだろ!」くらいの脱力感ですかね(笑)。

投稿: 雪豹 | 2007年7月30日 00時22分

>思い入れたっぷりの意見

うーーーん、草原らしさという意味で、ジャムカとの決戦にしぼるのが面白いかなぁ。対金国というのもストーリーはできそうだけど。

そいえば、西夏人でてこないくせに、最後はおもいっきり悪役だったなあ。

>「ギムレルって誰? …って、ヒムラーだろ!」くらいの脱力感

そうですね、耳障りという意味で、ホルムズ関係者の名前なんかは、欧州人を平仮名で発音するような違和感はあったかと(笑

投稿: 武藤 臼 | 2007年7月30日 01時02分

はじめまして。ここでチンギスDVDの感想が見られたのが嬉しいです。
私は一昨年にこのDVDを観ましたが、チンギス物はこれが最高でした。
彼の生涯はこれくらいの時間をかけないと語りつくせないですね。

私も自分のサイトでこの作品についてあれこれと書いてますが(歴史ドラマのコーナーです、お暇でしたらご覧ください)、管理人様の洞察力には遠く及ばず頭が下がる思いです。

ドラマで西夏に関する言及が少ないのは残念でしたね。モンゴルにとっては「都市」攻略のスキルを得る上で重要な戦いだったと思うのですが…。あとはモンゴル統一直後のココチュ粛清が割とあっさり終わってしまったことが不満かな。このシーンだけでも一話分はとれるでしょうに。それでもこれくらいの欠点は全体からすれば微々たるもの、自信を持って薦められる作品だと思っています。

投稿: Kircheis | 2007年8月 2日 21時22分

Kircheisさんこんばんわ、
コメントありがとうございます。

あまり期待していなかったんですが、かなり楽しませてもらいましたね。
ココチュは粛清前までかなりエピソードが多かっただけに、最後はさっぱりという感じはありましたね。
自分的には鎮海の死に異議ありですかね。
結構いい味出してたのに、そこで殺してしまうんかい!
・・・という感じでした。

HP見させていただきました。
相当の力作で面白そうです。
私も負けないように更新しないと(汗

投稿: 武藤 臼 | 2007年8月 2日 23時37分

日本版チンギス見ながら、↓コレ考えながらあれこれ読んでますが、勉強不足を痛感しています。

>チンギスの人となりを象徴するエピソード

やっぱり、モンゴルだと戦闘シーンがないと、映画・ドラマとして物足りないんでしょうねぇ…。
いっそのこと舞台で戦闘シーンのないモンゴルものやるとか…うけないか。

投稿: 雪豹 | 2007年9月13日 22時19分

>やっぱり、モンゴルだと戦闘シーン
必ずしも、どういう戦闘シーンがモンゴルらしく見えるか・・・分かっているわけではないですが(汗
そういえば、わざと敗走しといて、隠れてた騎兵が奇襲をかけるというシーンはあったような・・・

>>チンギスの人となりを象徴するエピソード
いくつか、あのエピソード飛ばしてるな・・・と思いながら見た記憶はあるのですが、なにが抜けてたのかはもう忘れました(汗

強いて思い出せば、ホラズムからの遠征帰りにモンケとフビライに会うシーンは見たかったかなあ

投稿: 武藤 臼 | 2007年9月14日 00時36分

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