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2007年7月23日

新疆ウイグル自治区における 遊牧民「定住化」のプロセス(雑感)

新疆ウイグル自治区における 遊牧民「定住化」のプロセス
---アルタイ市アラハク郷のインタビューから---
梅村 坦

 本著は、新疆ウイグル自治区北部、ジュンガル盆地がアルタイ山脈にぶつかるその山裾にあるアルタイ市郊外の村での聞き取り調査をもとに当地域の遊牧の現状を纏めた小論で、インタビュー記事とその分析が中心になっている。

 遊牧の民の今という情報は、私のような者にとって極めて不足している。それでも内モンゴルやモンゴル国の遊牧民について書かれたものは何冊か出回っているが、新疆については著者がユーラシア草原からのメッセージ(平凡社)に寄稿された「天山山中に遊牧民をたずねて」以外にはまだ読んだことがなかった。先著が突厥のオルドがあったこというユルドゥス高原を扱ったのに対して、本著はアルタイ山中を遊牧地としている人々を対象としている。

 本著は2005年の現地調査を基にしていて、ごく最新のアルタイ遊牧民事情であって、小論ながら貴重な情報がいくつか含まれているが、なによりもまだ固定家屋を持たずに遊牧生活をしている人が残っていたことに驚いている。著者も本著や先著で書かれているが、1990年代に遊牧民の定住化が進められたという話から、もはや全ての遊牧民は固定家屋を持って半遊牧をする牧畜民になってしまったのではと思っていた。

 残念ながら本著は調査過程の一考察であって、今も遊牧生活を続けている人達の全体的な姿は分からない。今後の続編、あるいは総括を楽しみに待ちたい。


<参考>
アラハク郷中心部アルタイ市中心部(Google Map)

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