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2007年12月 2日

新 シルクロード 最終集

 第7集、最終回は祈り 響く道。シリアとレバノンを舞台にした今回は、次のアナウンスで始まった。

 古代から神々が生まれ行き交ったシルクロードは
 この地に世界でも珍しい宗教のモザイク地帯を生み出しました
テーマで察せられるとおり宗教がテーマだ。

 宗教、宗派の異なる四つの街に訪れ、宗教を中心とした今をレポートしている。

 最初が、シリアのマールーラ(マアルーラ)、番組中ではキリスト教としか紹介されなかったが、東方教会系と思われる。険しい谷間に拠って古代より宗教を護ってきたという。

 次がレバノン、ベカー高地にあり、ローマ時代に遡る遺跡のある街バールベック。アリーの孫に因むシーア派の聖地、シーア派の街。昨年の紛争で民兵に志願して戦死した息子を持つ老夫婦が登場。

 次いでレバノン山脈を越えてカディーシャ渓谷にある街ブシャーレ。マロン派キリスト教の街、レバノン杉を観光資源とした街。紛争により観光客が激減、不況のために家族と分かれて出稼ぎに出る男が登場。

 最後がレバノンの首都ベイルート。スンニ派の街、シーア派とスンニ派が対立する街。シーア派に子供を殺されたスンニ派の父親が登場。


 現状の紹介としては大雑把には間違いではないのかもしれない。だが、宗教が対立、紛争の主因という流れは単純に過ぎる。シーア派に子供を殺された父親が内戦時代の経験から共存を説き、「宗教の違いを乗り越えた共存」というアナウンスもある。父親の行動自体は評価できるものの、アナウンスには決まり文句が出たという以上のインパクトはない。

 「(シーア派は)殉教の精神を大切にしています」というアナウンス、イスラム教主流の地域で迫害と戦ってきたキリスト教というのもどうもステレオ的で誤解のもとではないか。また、冒頭からエンディングまで多宗教な現状を「神々」と表現しているが、イスラム教、キリスト教いずれも一神教なうえに、解釈としては同一の神である。神様が対立しているわけではないのだが。

 細かい部分に不満が残るがこのくらいで。やや偏った前提でアナウンスに配慮が足りないのは本シリーズでなんどもでてきたこと。見終わって残ったのは、マアルーラ、バールベック、カディーシャ渓谷という自分に馴染みがなかった地名と、宗教対立というテーマはこのシリーズでは無理だなという感想だけ。


 今日で新シルクロード第二部が終わったので、総評を書こうかと思ったが、既に何度か書いてきた愚痴の繰り返しになるので止めておく。


<参考>
マアルーラバールベックレバノン杉の森ブシャーレベイルート
(Google Map)

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