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2008年6月 9日

茨城空港

 茨城空港 路線誘致に四苦八苦 大手冷ややか 「海外格安」狙い(FujiSankei Business i)

 国予測の需要は年間約81万人。県は羽田、成田両空港の補完を強調。北海道、大阪、福岡、沖縄の4路線を中心に誘致しようと06年から毎月欠かさずに航空会社詣でをしてきた。

 首都圏の新しい玄関、今、ひらく。茨城空港、2010年3月開港予定。(茨城県)

 百里基地を民間共用にして首都圏第三の空港にというプランは記憶にあるが、2年後開港を目標に事業が進んでいるとは知らなかった。東京から1時間半もかかる空港に補完を期待できるとは自分も思わないので、国内線の空港として価値がどのくらいあるのか少し考えてみたい。


 参考になるのは、隣の福島県にある福島空港。福島県の人口が208万人、茨城県が297万人。茨城県について、東京に近い千葉県および埼玉県寄りを除くと200万人を切るが、福島県北部が仙台空港に近いことを考えると、圏域人口としては茨城県の方が少し多い程度と見積もれるだろう。

 また、空港として最大のライバルとなる羽田空港まで、電車を使って出るのにかかる時間はどうか。郡山からだと新幹線を使って2時間10分、水戸からは特急を使って2時間。時間的にもあまり差がない。


 その福島空港について。現在一日に片道で、大阪へ5便、札幌へ2便、沖縄へ1便飛んでいる。福島県のHPによれば、2007年度の国内線利用者は40万人ほど。

 もう少し詳しく、国土交通省の航空輸送統計調査を見てみる。2006年度の数字で、伊丹便が1日5往復で年間152,741人、関空便が1日2往復、57,604人、併せて1日7往復、210,345人。ほかに、札幌便が1日2往復121,801人、那覇便が1日1往復71,554人となっている。福岡便が2006年に、名古屋便が2007年になくなっている(福島空港の沿革 福島県)。

 利用者数的にも便数的にも重要な大阪便の推移を、もう少し詳しく見てみる。

 2001年度伊丹便1日2往復、250,375人
 2002年度伊丹便1日3往復、244,642人
 2003年度伊丹便1日3往復、256,306人
 2004年度伊丹便1日3往復、秋から5往復、249,361人
 2005年度伊丹便1日4往復、関空便1日2往復、191,813人
 2006年度伊丹便1日5往復、関空便1日2往復、210,345人

 利用率は平均で60%前後で、小型機を使って便数を増やしても、利用者の減少に歯止めが掛からないと読み解けるのではないか。2007年度には関空便が1往復減、今年はさらに伊丹便が1往復減っている。

 新幹線を使った場合と比べてどうか。郡山から東京で乗り継いで大阪まで4時間15分で20,120円。飛行機だと特割で23,700円、フライト1時間5分で、アクセスを入れて2時間ほど。料金差が小さくて時間が半分なので、飛行機利用のメリットはかなりある。ただし、今のダイヤで昼前後に4時間の空白があるので、次便を待つなら新幹線を使った方が早い時間帯があることになる。今以上の減便は、利用者の減少に拍車をかける危険があるわけだ。

 大阪便には、札幌便や那覇便にない利用価値がある。それは、福島空港では維持できなかった福岡便をはじめ、四国、九州方面へ、大阪乗り継ぎ利用を期待できるという点。しかし、新幹線を使って羽田空港を利用した方が安い。しかも便数が多いので時間的なデメリットは大きくない。つまり、お金を出して都心での乗り換えを嫌う人にしかメリットがない。


 茨城空港について考えてみる。上のニュースにあるとおり、需要予測は年間約81万人とのこと。しかし、東京へのアクセスで似た条件にある福島空港から見ると、まず、大阪便、札幌便、沖縄便で福島空港の年間利用者40万をクリアできるかどうか。これが結構厳しいハードルであることが見えて来る。羽田空港までの料金はどうかというと、郡山からは新幹線を使って8,440円で、水戸からは特急を使って4,490円、バスならさらに安くて3,500円。この差が小さくないように見える。

 茨城空港で札幌、沖縄、大阪以外のルートはどうか。やはり羽田空港に料金的に福島空港より近いという点が大きい。福島空港で飛ばなかったものが、茨城空港で飛ばせるとは想定し難い。昨今は、燃料高騰によりむしろ地方路線は整理が進んでいる。そんな中で、福島空港よりも条件が悪そうに見える茨城空港に対して、茨城県の要請に応える会社がいくつあるだろうか。

<Google Map>
 福島空港百里基地

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コメント

こんにちわ。 
管理人さんが地元で少しでも茨城空港に対して期待感をお持ちなら、以下削除してください。
茨城空港の用途。地元への税金ばら撒きと、赤城・額賀・橋本・他県議へのキックバックと、集票機、で用途は完遂です。
後は首都圏防衛・防空が向上する事は間違いありません。
後は緊急避難用と深夜・早朝専用空港と言う道もあるし。東南海沖地震で首都圏に大きな被害が出たときの救済用空港、その後の被災者住宅用地など、用途は沢山考えられます。いずれにしても自衛隊との共用で、他の地方空港のように閉鎖される事は無いので後は少しでも有効活用の道を考えるだけです。民間航空がくる事は有り得ない訳ですし。
出来ちゃった物はしょうがない、堕胎すわけにも行かないし。
誕生即葬式のような感じで哀れですね。
もうこの種の税金の無駄ずかいには怒りすら感じなくなりました。

投稿: 優 | 2008年6月15日 17時06分

優さん、こんにちは

どちらかというと否定的な意味合いで書いてます。単に否定的に書いても面白くないので、自分なりに需要予測をしてみたわけです。

国内線の需要予測としてはさほど外れていないと今の所考えてます。その点で、茨城空港は既に開港しているいくつかの空港と同じか、あるいはそれ以下のレベルとして開港するメリットの低い空港と評価してます。

ただし、LCC(低コスト航空会社)については全く見流しています。実態も数字も一切知らないので。いくつか解説を読んでみましたが、興味深いことは確かです。競争によって安くなるメリットはあります。

それが茨城空港で可能なのかというと半分は疑問符がつきます。自分が理解している範囲でいえば、日本の交通政策は個々の手段毎の縦割りでしかありません。総合交通体系という考え方は絵に描いた餅でしかなく、結果論として機能していません。その意味で、クアランとかフランクフルトをモデルにした国際低コスト便のネットワークの核に、茨城空港がなる可能性があるのかどうか。一面的には取り組み次第と思います。

クアランやフランクフルトと比べた場合に、地勢的違いがどのくらいメリット、デメリットに働くのかということがどの位見積もられているのか、興味があるところです。時間があったらもう少し調べてみたいとは思うのですが。

ひとつだけ言えることを付け加えると、手続きとして空港を造るということが先にあり、LCCは後からあわてて持ってきたという「印象」を持っています。そうであるならば、手順としては不適格です。税金を投入する以上は、場当たり的な方法でなく、見通しを立てて行われるべきです。LCCのハブとして機能し得るのであれば、そのための準備に数年開港が遅れることは大した損失ではありません。

投稿: 武藤 臼 | 2008年6月15日 18時08分

>LCCのハブとして機能し得るのであれば、そのための準備に数年開港が遅れることは大した損失ではありません。

大した損失ではありまスよ。

税金を投入する以上は、場当たり的な方法でなく、見通しを立てて行われるべきでショ!

長距離のLCCなんて空飛ぶ難民村と言われるぐらいで、機体は廃棄寸前、メンテはしてない、機内食は有料、トイレに紙はない・・・。とんでもない所らしいですよ。そのハブ空港と言ったて・・・
額賀のばら撒きもばれたようだし、橋本も開港後に福島と同じ道をたどるとか。
いずれ大きな問題になるのでしょう。

まじめに心配している皆さんが可哀想で・・・ お気の毒です。

投稿: 優 | 2008年6月15日 18時51分

片道で5万円以上安くすむ、旅程として日数的損失がない。この2つの条件がクリアされれば関西に住む自分でも海外渡航に茨城空港の利用は検討します。京都からなら4時間で電車を乗り継いで百里(近く)まで行けますので、昼に飛ぶ便には十分間に合います。

また、安く済ませることを特に命題とすれば、持ち込みが出来ることを条件に食事なしは問題なしです。例えば北京まで4時間。数千円安く済むのであれば、ほか弁かコンビニおにぎりでもOKです。

クアラルンプールやフランクフルトとは条件が違うことは確かです。どちらも短時間のフライトで行ける大都市が沢山あります。その意味で、優さんが「長距離のLCC」を心配されているのは的を射ているでしょう。これは、さっき自分が書いた「地勢的違い」という点です。少なくともこの点の試算がきちっとできていることが最低条件でしょうね。


>税金を投入する以上は、場当たり的な方法でなく、見通しを立てて行われるべきでショ!

私もそう思いますよ。

投稿: 武藤 臼 | 2008年6月15日 19時39分

管理人さんを揶揄するつもりは毛頭無いのです。地元への利益誘導のために国民・善良な茨城県民を欺く議員・知事の欺瞞に腹が立っているのです。茨城空港の本当の目的は首都圏防空力の強化です。民航が入らない”無駄”は米軍供用と言う穴埋めです。
額賀が防衛”庁”長官のときに立案されたとも聞きました。今の百里ではF-15の増機も出来ないようですし。
善良な地元民の期待感を隠れ蓑に、自己の利権を悪用する政治家の汚さに怒りを感じます。
昨年福島空港に”車で”行ってみました。
飛行機など1機も無く、ゴーストタウンのような空港って不気味でした。
イバ空とは条件が違いますが・・・。

全客滅来(来客全滅)=地方空港 の意
に成らない事を切に祈ります。

投稿: 優 | 2008年6月15日 21時37分

優さん、度々コメントありがとうございます。
うちのようなブログは、私の主張を読んでくれる皆様、時々コメントを頂ける皆様の存在によって成り立っています。短時間のうちに沢山コメントを頂きありがとうございます。おかげで、良い勉強をさせて頂いております。

持ち上げておいて落とすという意図ではありません。優さんが真摯に問題意識を持たれているからこそ、私がここでブログを書き続けている意図(私の努力目標)という点で、少し厳しいことを書かせて頂きます。


優さんが、うちのブログにコメントとして書かれたことには問題はありません。しかしながら、もし優さんが、茨城空港に反対するための有志を募る、運動をする、あるいはそこまで大袈裟でないとしても、同じ意見を共有できる人を求めるというのであれば、必ずしも適切な書き方ではないかと思います。

私がこのブログを書く上でしている努力というのは、文章としての善し悪しとは別に、内容、あるいはデータとして可能な範囲で具体的に見えるようにする、できるだけ役に立つデータを作るということです。上にある茨城空港の需要予測も見た目には短文ですが、数字を積み上げる為に数時間を越える時間を費やしています。時事を採り上げる場合でも、伝聞ではなくて多少なりともニュースソースを明示する努力が必要です。

これは私の主観ですが、多少文章が悪かったとしても、データとして意味のある内容であれば読むに値します。私のように片手間で主張を書き並べている者の文章に、少しでも読んでもらえる価値があるとすれば、その様なものと考えています。その価値が高ければ些かでも誰かの役に立つかもしれません。

もし優さんが、同士を求めておられるというのであれば、同じ努力をされることをお薦めします。「分かっていること」というのであれば、申し訳ないのですが読み流してください。既に行動をされているというのであれば、私もいち読者として加わらせて頂きます。


繰り返しになりますが、このブログに書かれたコメントとしては問題ありません。時々読みにきて書き込んでいただけると、とても嬉しいです。


最後に本旨についてですが、私も箱もの、バラマキといったものには反対であり、行政上の無駄を省くことはなお急務であると考えています。ただし、政治家はただ政治家一人において政治家であるわけではありません。そこにもう少し、掘り起こすべき情報が隠れていると思います。

投稿: 武藤 臼 | 2008年6月15日 22時38分

時事を採り上げる場合でも、伝聞ではなくて多少なりともニュースソースを明示する努力が必要です。よね!

私もデタラメ言ってるつもりはありません。例えば↓ですが。
http://news.livedoor.com/article/detail/3662126/
ソースの公開って意外に難しいもので。

まじめに取り組まれておられて頼もしいです。頑張ってください。
私はこの問題に関しては門外漢ですので。

また、時々うかがいます。優

投稿: 優 | 2008年6月16日 00時47分

優さん、こんばんわ

難しいですよ。引用したセンスを疑われるかとか、疑心暗鬼になることがままありますし(^^;
でも明示することで、少なくとも自分の主張が間違いなのか、引用元が間違いなのかは分かります。それは情報としては大事なことです。

内容を見て頂くと分かるとおり、かなり徒然に書いております。あまり内容が分散することはどうかとは思うのですが、書かずに腹にためておくのも具合が悪くて。

駄文も多分に含みますので、10本か20本か・・・の中に1本でも、おー!と思っていただけるモノが書けたら良いのですが。

最初は誰でも門外漢!

投稿: 武藤 臼 | 2008年6月16日 01時04分

こんばんわ ゆうです
茨城空港に反対するための有志を募る、運動をする、なんてヘビーな事考えてませんよ。今夜もイバ空のことでテレビに橋本さんが出てましたね。笑い者に成ってましたけど。
 臼さんはとても真面目に問題意識を持って何時間も掛けてデータ収集されているようですが、それは頭の下がる大切な事ですが、百里基地には行かれた事がありますか。実際に、どう云う地理的状況に有るかご存知の上で、ご意見をお書きになっていると思いますが。
 私は以前航空機のエンジンを専門に仕事していた為、一時は年に100回以上百里に通っていた事があります。榎群団長の頃ですが。その頃は空自の全基地を入間からC-1かVIP用のYSで回っていました。(硫黄島行きを断ったのが悔やまれます)
わたくしも全くの素人ではありません。
そのような経験の上で、イバ空の馬鹿馬鹿しさを肌で感じているだけです。決してデタラメを言っている訳では有りません。
 空自担当後、欧州担当で10年以上国内業務から外れたので(今は独立です)最新情報は今は入りズライデスガ。
 ICC国際線!など、是非体験されたら言いと思います。コンビニ弁当云々以上に感じられる事があるかも・・・。乗客が客席でコーヒーのコンロに火をつけて、墜落するという世界の航空機を運用する会社のようです。
 ともかく御自分で色々体験・実感をされないと文章の重みが加わらないと思います。

投稿: 優 | 2008年6月16日 22時48分

優さん、こんにちは

>私は以前航空機のエンジンを専門に仕事していた為、一時は年に100回以上百里に通っていた事があります。
>イバ空の馬鹿馬鹿しさを肌で感じているだけです。

それは、私などが知り得ない情報を多々お持ちということですね。
茨城空港の実態を世に知らしめるためにも、是非語られるべきではありましょう。

投稿: 武藤 臼 | 2008年6月17日 06時31分

霞ヶ浦を埋め立てて、土浦に空港ができれば便利なのに。
つくばエクスプレス延伸して接続できるし。

投稿: | 2008年6月25日 04時50分

環境問題とか別にしても、土運んで埋め立てて造成するのと、土地を買い集めて造成するのとどっちが安く済むんでしょうねえ。

滑走路を新設しなくていい
・・・というのが、良くも悪くも百里の売りですからねえ。

どちらにしても、いかに便数を多くして利用者を集めるかということに尽きるかと。

投稿: 武藤 臼 | 2008年6月25日 06時53分

通りすがりで失礼いたします。
茨城空港は計画当初は国内定期路線が大前提でしたが、国内の航空会社に相手にされなかったので、(【苦し紛れの転換】では有りますが)《ローコスト空港(LCC対応空港)》に方針転換したそうです。

話は変わりますが、下記のHP(およびブログ)によると、エアアジア以外でも興味を示している(外国の)航空会社が何社かあるようですし、
http://blog.hitachi-net.jp/archives/50781605.html
http://shoukai.lolipop.jp/ibaraki-np_091008.html
2009年2月2日にはアシアナ航空から”茨城~ソウル 便(週7便)”と”茨城~釜山 便(週3便|開港数ヶ月後)”の正式就航表明が有りました。
http://www.pref.ibaraki.jp/hotnews/2009_02/20090202_02/index.html
http://jp.flyasiana.com/Global/JP/ja/homepage?fid=NEWS11000&cmd=NEWSVIEW&seq=876

計画当初の方針(国内定期路線 大前提)を突き通した場合は【無駄】の2文字に尽きますが、茨城空港を《ローコスト空港(LCC対応空港)》として開港することで、【首都圏大三空港】としての役割を果たします。

最後になりますが、茨城空港を辛口評価しているブログを発見しましたので、転載いたします。
http://metro-ibaraki.blogspot.com/

投稿: やませみ | 2009年10月14日 16時14分

やませみさん
コメントありがとうございます

開港の準備は進んでるみたいですねえ
まあ半分は人ごとなんで
良くも悪くもどうなるか
楽しみと言えば楽しみなんですが

便利になるに越したことはないですがねぇ

投稿: 武藤 臼 | 2009年10月18日 10時54分

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