天山北麓の故城跡
国立民族学博物館の研究報告別冊20号ユーラシア遊牧社会の歴史と現在は、600頁を越す分厚い報告書で林俊雄氏、佐々木四郎氏、梅村坦氏等の論文が集録されている。この中に堀直先生の天山北麓の故城跡があり、現地で入手した地誌や研究書と自身の現地調査に基づく故城のリストが掲載されている。新疆ウイグル自治区の東は伊吾県から西は昭蘇県に至まで、イリ河流域を含む天山山脈北麓121か所の城跡の位置、緯度経度、大きさ、年代比定などのデータが載っている。
それではということで、Google Mapで確認できたものを天山北麓の故城跡一覧にプロットしてみた。位置情報を元に、大きさや形などがそれと確認できたもの、あるいはそれらしいと思われるものは全部で21件だった。予想以上に苦戦したのは、Google Mapの写真の解像度の問題の他に、元資料の精度の問題、都市化による破壊と市街地へ埋没、農地化による破壊などがあった。ウルムチ周辺は都市化で全く確認不能。ウルムチの西、昌吉市から博楽市にかけては農地化したものが多かった。以下、探し当てたものに少しコメント。
艾斯克協海尓故城
リストの2番目に載る100m四方ほどの正方形の城跡。2番目でこれだけ奇麗なものが見つかったので、全体でかなり見つかるかと期待してしまった。
巴里坤県漢城
リストに載っている清代の県城跡で確認できたのは、奇台県の老満城遺跡と巴里坤カザフ自治県の満城と漢城のみ。写真は、巴里坤県漢城の西門と思われるが、擁城の形がはっきり残る。北壁、西壁、南壁も連続して2kmほどがはっきり確認できる。
油庫故城
リストには、北420m、東800m、南480m、西580mとある。不定形の城壁のうち、北から西へかけて900mあまりがきれいに残る。
波馬故城
カザフスタンとの国境まで2kmという田園の中に、奇麗な方形と南北の門跡が確認できる。
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