« 中国四大美女 | トップページ | アフガニスタン関連ニュース »

2008年7月12日

日本のイネ「南に源流」?

 日本や中国で栽培されるイネ「ジャポニカ」の起源が、インドネシアやフィリピンまでたどれることがわかった。
 日本のイネ・ジャポニカ「南に源流」 遺伝子研究で解明(朝日新聞)

 7月7日の朝にこのニュースを読んで「ほほー」と思いながらも、古い野生種の起源が東南アジアにあるのならそれはそれでも良いかと思った。しかしニュースには、

 アジア各地の古い栽培品種142系統を調べた。
とあり、また話の出所、農業生物資源研究所のHPには、

 コメの大きさを決める遺伝子を発見!日本のお米の起源に新説!

 さらに、様々な地域で栽培されていた約200種の古いイネ品種でqSW5の機能の有無等の遺伝子の変化を調査した結果、従来の学説(長江起源説)とは大きく異なり、ジャポニカイネの起源は東南アジアで、そこから中国と伝わり、そこで温帯ジャポニカイネが生まれたことを示す結果が得られました。
とある。栽培種についての比較であって、東南アジアで栽培されている品種をポイントとして、長江起源説が覆される可能性があると示唆されている。


 さて、どうなんだろう・・・と思い、上記新聞記事に

 ただ、遺伝子の変化を、直接イネの栽培化と結びつけるのは難しい。考古学資料とのすり合わせが必要だろう。
とコメントされた総合地球環境学研究所の佐藤洋一郎氏の話を聞くべく、研究所主催の公開講座ユーラシア農耕史---風土と農耕の醸成---の第3回米(コメ)の登場と稲作文化を聴講してきた。

 ・中国の稲作考古学---遺跡から探る稲作の起源と深化---(中村慎一)
 ・プラント・オパール分析から見た水田稲作の起源と伝播(宇田津徹朗)
 ・稲作で人が変わる?(若林邦彦)

 講座は、このような3氏による発表があり、佐藤氏を加えた討論があった。中国での稲作に関わる遺跡の新しい話、農耕化の漸進性、食用植物の多様性、さらには縄文人と弥生人の対立や住み分けに疑義が挟まれるなど、短時間ながら多様で興味深い内容だった。佐藤氏は期待どおりにニュースに触れられ、上記のコメントを補足する形で、現在確認されている東南アジアの農耕文化が中国に比べてかなり新しいことを問題とされていた。


 野生種と栽培種という話に戻る。研究の対象は栽培種だった。東南アジアの古い品種であっても、栽培種なのだから稲作農耕とともに中国など他の地域からもたらされた可能性は十分に想定できる。東南アジアに野生種があってその遺伝子が調べられるか、中国よりも古い稲作の遺跡が見つからない限り、稲作発祥の地という話としては中国が最有力であることは変わらないだろう。したがって、この研究の評価は現時点で遺伝学的な研究という範囲に留まることになる。遺伝的に米の系統と明らかにする方法として興味深いが、同様な研究が他でなされているかどうか私にはわからない。

 ちょっと細かいことだが、比較対象となった品種の数が、研究所の発表では「約200種」とあるが、上記朝日新聞の「142系統」や47NEWS「約140種」と、ちょっと違う数字があるのは何故だろう。

|

« 中国四大美女 | トップページ | アフガニスタン関連ニュース »

ニュース(国内)」カテゴリの記事

中国史」カテゴリの記事

日本史」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/162739/41817789

この記事へのトラックバック一覧です: 日本のイネ「南に源流」?:

« 中国四大美女 | トップページ | アフガニスタン関連ニュース »