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2008年8月12日

南オセチアをGoogle Mapで見る

ロシア大統領、グルジアへの軍事作戦停止を指示
(AFP 8月12日 19:13)

 ロシアのドミトリー・メドベージェフ大統領は12日、グルジアに対する軍事作戦の停止を決定したと発表した。
 10日にグルジア軍が南オセチアの州都ツヒンバリからの撤退を始めてから丸二日、今度こそ収束に向かうだろうか。この間、ロシア軍はトビリシ近郊を空爆、黒海の封鎖を実施したほか、グリジア領内、ツヒンバリに近いゴリ、黒海沿岸のポチ、西部のグルジア軍基地があるセナキ、アブハジアに境する街ズグディディへ侵攻したと伝えられている。

ロシア軍、グルジア海軍艦艇を撃沈 空港への空爆も
(AFP 8月11日 06:43)
露、グルジアの4都市に侵攻、首都攻防の懸念
(産経新聞 8月12日 10:58)
ロシア軍「セナキを撤退」 アブハジアでは掃討作戦
(朝日新聞 8月12日13:26)

<Google Map>グルジア-ロシア紛争関係


 ところで、一昨日のエントリ−を整理していて気になったのが南オセチア州と州都ツヒンバリを巡る地理的なこと。地図をただ見ていてもぼんやりとしか見えてこなかったが、家一軒一軒が確認できるという威力なのか、Google Mapの航空写真を見ていると、かなり具体的な現地を見ることができるので、そこに地図にはない実物感を感じ取っている。細かく調べ始めると、すぐに解像度、撮影時期が不明なこと、現地を全く知らないこと、ほぼ真上からしか見えないことなど、限界もまた実感できるのだが。それでもじっくりと読み解くと、世界地図帳からの空想では限りなく不可能なものを見ることが出来るように思う。


 まず、州都ツヒンバリについて。州内での州都の位置関係については、ウィキペディアの南オセチア紛争 (2008年)に添えられている地図を見るのが手っ取り早い。州都「Tskhinvali」は、州域の南よりにあり、すぐ南に州境があるのがわかる。この地図を頭に置きながらをGoogle Map見てみる。


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 ほぼ中央に州都ツヒンバリがある。上に見える白い山々がカフカス山脈。真ん中下寄りに左から右へ川(クラ川)が流れていて、これを底辺した三角形が見えないだろうか。この三角形がツヒンバリを含む盆地の形そのものだ。ツヒンバリは三角形の上の頂点に近いところにある青色の点。ここでひとつ言えることだが、南オセチア州の南にある州都が盆地の北端近くにあるのだから、南オセチア州北側の過半が山岳地帯ということになる。その位置にどんな歴史的経緯があり、意味があるのか全く知らないのでその点は放置する。カフカスを北へ越えればロシアである。

 次に上のニュースにも出て来る、ロシア軍が攻めたというゴリが下の方に見えている。川沿いに二つあるピンク色の点の右側がそうだ。ゴリは、ツヒンバリから流れてくるクラ川の支流が合流する場所にあ。Google Mapで距離を測ってみると30kmほど。拡大して川沿いにゴリからツヒンバリへ向かうと、緑に包まれた村と田園が交互に続く。自分は、奇麗な田園風景だと思った。この僅かな距離と緑の風景の中で、ここ数日の紛争が続いていたはずである。

 このくらいの航空写真では、詳しくないと軍用車両が見分けられるわけもなく、よくよく見た所で緑の田園風景にしか見えない。ただ、地図よりは実物感があるということ、それが手軽に見られるということが、毎度のことながら凄いことと思う。


 あと、細かい話をもう少し。この航空写真がいつ撮られたものかということは分からないが、南オセチアの独立運動が始まるよりも前ということはないだろう。根拠はないのだが、古くても5年内外だろうと想定している。その点では、ツヒンバリとゴリの間に係争に関わるもの、具体的にフェンスやバリケードの様ないかにも国境というものがあるのかと思った。しかし、少なくとも線ととして長く続く固定的なものは読み取れなかった。

 南側からツヒンバリに入る道を追ってみると、なんとなく街に入る手前あたりで道の質が落ちているように見えるので、結果的にか実態としてかはわからないが、南北の行き来に障害があることが想像できる。


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 これは、クラ川支流の東側を南北に走る道がツヒンバリの市街へ入る手前のところ。土嚢かなにかが並べられているように見えるが、どうだろうか。



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 この写真真ん中は、ゴリから続く鉄道の終点にある駅、勝手に名前をつければツヒンバリ駅である。この水色?の屋根の大きな建物は駅舎だろうか。回りを見ると、構内の広い駅なのに客車も貨車も機関車も見当たらない。線路はあるように見えるが、南へ追って行くとやがて薮の中にほとんど隠れてしまう。もう少し南へ行くと、途中から線路がはっきり見えて来る。グルジア側ではそれなりに線路の保守が行われているのだろう。ただ、列車が走っているかどうかは分からない。



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 次は、ツヒンバリの北西、山の中に伸びる道。道の法面がまだ白いことから、10年内外に造られた、あるいは大幅に改良された道ではないかと想像する。この道を北へと追って行くとやがて川沿いの道へと繋がり、その道をさらに上流へ行くとロシアとの国境近くまで続く。解像度が悪いこともあって峠は正確にはわからないが、わりと整備されたロシアからの支援道路とみて間違いないだろう。

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