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2008年8月10日

グルジア情勢

南オセチア州都に進攻=村を空爆、住民15人死亡−グルジア
(ロイター 8月8日 12:58)

 7日夜、グルジア軍が州都ツヒンバリを包囲、市内へ向けて進攻するとともに、8日朝には空軍機5機が自治州内の村を空爆した。
 このニュースを読んだのは、8日の深夜のことだった。オリンピック開幕関連のニュースが賑わうなかで、「何故今」ということと、内容を見る限り小競り合いを越えているという事態にかなりショックを受けた。以下、ニュースサイトを辿りながら整理を試みる。


グルジアと南オセチヤ境界で銃撃、自治州側兵士6人が死亡
(読売新聞 8月2日19:07分)

 インターファクス通信などによると、グルジアと同国からの分離独立を主張する南オセチヤ自治州の境界地域で、1日夕から2日朝にかけてグルジア軍と自治州独自部隊の間で銃撃戦があり、自治州側の兵士ら6人が死亡、15人が負傷した。グルジア側では4人が負傷した。

南オセチアで独立派勢力と治安部隊が交戦
(毎日新聞 8月7日 10:38)
 グルジアからの分離独立を求める南オセチア自治州で6日、独立派勢力とグルジア治安部隊が交戦し、本格的な戦闘の再燃が懸念されている。
 7日夜の州都ツヒンヴァリ攻撃のニュースが伝わり始めたのが日本時間で8日になってからだったが、この2つのニュースはそれより早く今月頭から既に戦闘が始まっていたことを伝えている。これは、1日頃から小規模な戦闘が続いていて、それを引き金として7日夜の本格的なグルジア軍の侵攻に発展したということになるのだろうか。


国連安保理、南オセチアでの戦闘停止呼びかける声明で合意できず
(ロイター 8月 8日 16:58)

 7日(アメリカ東海岸時間か?)中に動き出した安保理だが8日になっても合意ができなかったとのこと。


ロシア戦闘機がグルジアを空爆、安保理会合は決裂
(AFP 8月8日 19:50)

 グルジア内務省は8日、ロシア軍の戦闘機3機がグルジア領内の軍事拠点を爆撃したとAFP記者に明かした。
 これは、南オセチアに駐留しているロシア軍とは別に、恐らくはロシア本国からの空爆を伝えていると見られる。


南オセチア、本格交戦も=ロシアが軍事介入−グルジア、総動員令
(時事通信 8月9日 1:30)

 ロシア軍の戦車や装甲車数十両が南オセチア州都ツヒンバリ近郊に到達したのが目撃された。
 ロシア軍は空軍だけでなく、カフカスを越えての地上増援部隊の派遣にも踏み切り、はやくもツヒンバルに入ったということだろう。


ロシア首相、北オセチア電撃訪問=グルジアで戦闘の軍鼓舞
(時事通信 8月10日 0:22)

 8日のオリンピック開会式に出席していたプーチン首相は、翌日には係争地の北側、北オセチアの首都入り。


アブハジアでも戦闘、安保理会合は停戦要求で合意できず 南オセチア情勢
(AFP 8月10日 9:49)

 グルジア国内で南オセチア同様に分離・独立を目指すアブハジア自治共和国にも軍事衝突は飛び火した。同自治共和国政府はグルジア軍への軍事行動を開始したと発表。
 これは、グルジアが抱えるもうひとつの係争地、アブハジアでの戦闘を伝えるニュースで、陽動とも漁父の利狙いとも取れる。既にコドリ渓谷へロシア軍による空爆があったことを伝えるニュースもある。

 Upper Kodori Attacked(Civil Georgia 英文)


「南オセチアから部隊撤退」とグルジア当局者
(CNN 8月10日 16:12)

 グルジア当局者は10日、同国部隊が南オセチア自治州の州都ツヒンバリから撤退したと述べた。
 ロシアの反攻が早くかつ強力だったということだろうか。このコメントどおりなら、本格的な開戦から3日で収束に向かうことになる。グルジアは、なにも得る物が無かったということになりそうだ。


 とりあえず悪化が防げればまだマシと思うが、20年来という争いは簡単には解決しそうにない。グルジアがオリンピックの最中を狙って、有利な停戦調停を目論んだとも考えられるが、経過を見る限りあまりその可能性は無いのではないかと自分は考える。

 民族対立という言葉は使いたくない。その「民族」が言い表している大きさが小さくなるほど地域コミュニティーや部族といった概念との境が曖昧になるようには思う。それでも、宗教や経済の問題も丸め込んで「民族対立」と表現してしまうのは安易と思うのだ。

 また、グルジアを巡る南オセチア、アブハジア、パンキシ渓谷の各紛争のいずれにもロシアが絡んでおり、単にロシアが各民族を支援(パンキシ渓谷の場合は逆)しているだけでは済まない問題であろう。近くには、以下のようなニュースがあり、安保理が結局機能しなかったのも昨日今日の話ではない。

ウクライナとグルジアがNATO加盟なら軍事的措置も=ロシア軍参謀総長
(ロイター 4月11日)


 ニュースを纏めるといってもニュースを流し読み、ネットで情報を漁る程度では表層的に留まるのが限界である。地名や用語を調べようとしても、わりと早く壁にぶつかる。この地域の複雑さや日本からの遠さを実感してしまう。諦めてもしょうがないので、少しでも勉強してみようとは思うのだが。


<Google Map>
グルジア-ロシア紛争関係

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「マスコミが報道しないイラクの現状」について  チベット蜂起の報道も、今回のグルジアとおなじで、最初はおよび腰だった。毎年くりかえされる広島・長崎のマンネリ化しながらも膨大な報道量と比較してみると、日本の戦後平和主義のほんとうの姿が透けて見えてくる。かれらの運動は平和を偽装した反米、反権力闘争なんだな。ジャーナリズムも、その中核にとり込まれてしまっている。  平和を叫びながら、平和なんてどうでもいい。人権を叫びながら、人権なんてどうでもいい。民族自決を叫びながら、少数民族の自決権には関...... [続きを読む]

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