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2008年12月31日

リニア中央新幹線 2008年12月の動き その1

<今までのエントリー>
 リニア中央新幹線を諏訪へ
 リニア中央新幹線と長野県
 リニア中央新幹線 Bルートが無理なわけ
 リニア中央新幹線 知事の質疑応答ほか
 リニア中央新幹線 Bルートが実現する可能性 その1
 リニア中央新幹線 Bルートが実現する可能性 その2


 12月24日づけで、鉄道建設・運輸施設整備支援機構とJR東海に対して、国土交通省より中央新幹線についての調査が指示された。これを受けて、JR東海では関係各県へ挨拶まわりを行なっている。年末にばたばたという感があるのは、整備新幹線の財源問題について、「政府与党合意が得られる」のを待っていたからだという(朝日新聞)。時期も時期であり、とりあえずの挨拶回りという状況のようで、より具体的な問題は年が明けてから動き出す物と思われる。

 この件に関連する報道や関係者の動きについて、ネット上の情報を参照しながコメントを加えてみる。


 中央新幹線東京都・大阪市間の調査について
 (国土交通省 報道発表資料)

 この発表資料によれば、需要に見合った輸送力、技術の開発、 建設費用、その他必要事項の4項目についての
調査を行なうこととされている。ニュースとしては、調査期限が示されていないことと、調査事項の前文に

 全国新幹線鉄道整備法の趣旨にかんがみ、ルート、駅等に関し、地域と調整を図ることを前提とし
という一文が入れられていたことが特に目立って扱われていたように思う。

 信濃毎日新聞は、12月27日付けで知事とJR東海社長の会談に絡めて、リニア新幹線 実現へ地域と手を携えと題した社説を掲載している。この社説には、

 地元の意見をしっかり聞きながら
 ルートの問題は、JR東海任せにはできない。
などと書かれていて、これだけならば地元側から見ればそうだろうなと言えなくもない文言だ。

 しかし、長野県とJR東海について、「ルート」つまりはいくつの駅を設けるのかという点について、両者の意見は大きく食い違っていることが明らかになっている。その前提で「地元の意見を聞く」とは、より多く駅を設置することである。駅の数について、1か2か3とあまり妥協のしようがない答えしか無いことを考えれば、この社説は長野県側の立場にたった内容と評価することは間違っていないだろう。

 自分が以前にこのブログ上で触れたように、素人の簡単な試算でもBルートを採ることの困難さは想定できる。そういった問題に触れることなく、上記の国土交通省文書における「地域と調整」を含む一文を「この条件は重い」と評価しているところは、核心となる問題点を避けて新幹線整備法を楯に「地域振興」を主張する長野県と同じ立場に見える。こういった内容は、どの程度地元一般の空気を反映しているものなのだろう。


 信濃毎日新聞の社説の内容に関連して、11月10日の記事をアップして以降に長野県から出されている文書を読み解いてみる。長野県の公式サイト上で、具体的にリニア中央新幹線に触れているのは、信州・フレッシュ目安箱知事会見の2か所。


 まず目安箱について。この中には、10月分11月分として計12件、「リニア中央新幹線のルートについて」と題された「ご意見」に対する「回答」が載せられている。その12件の回答内容は、「リニア中央新幹線建設に当っては」で始まる全国新幹線鉄道整備法の内容を説くものが8件、10月25日付の信濃毎日新聞の記事に抗議したというものが2件、両方について触れたものが2件となっている。

 全国新幹線鉄道整備法を根拠とした回答としては、文章の形は違うものの10月22日付けの記事で触れた5月7日回答に見られるものと同じ内容である。5月7日回答について、「ほとんど理が無い」と自分が考えていることは10月25日の記事に纏めた。

 一連の回答は、極めて簡素にパターン化されていて、質問について具体的に答えることを一切避けたものと自分には読める。「目安箱」というたいそうな看板を背負わせているにしては、中身が無いつまらないものだ。担当者は、他のことを書くことが一切許されないのか、それとも書く気が無いのかどちらなのだろう。

 また、「信濃毎日新聞の記事に抗議」という点について「現段階で県は試算しておりません。」と書かれている。これは、

 Bルートを採用するとCルートより「およそ5分の差が生じる」と長野県が試算したとのこと
(既に元記事がリンク切れのため、これは11月10日の記事に載せた要約)
という新聞報道が誤りであるというものと思われる。様々な数字が並び、大きな金額が問題となる一連の問題について、試算が全くないということはあり得ないだろうから(公式文書になっているかどうかは別にしても)、とりあえず県としてはこの「5分」かどうかは試算していないということになる。目安箱にも見られるように、この「5分」についての関心は高い。一連の問題の中で重要な問題のひとつであり、外部に依托してでも早急に試算して公表すべきではないだろうか。


 少し長くなったので稿を改める。続きはその2

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