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2009年1月19日

今週のシュトヘル

 今週号第3話は、モンゴルと西夏の霊州攻防戦の話でストーリーはさほど進展しない。また、前回たくさん出てきた西夏文字は、今回はなし。

 今号での話題は主人公の名前。話は、シュトヘル(悪霊)と後に呼ばれることになるらし主人公が、そう呼ばれる前のことなのだが、今号ではその頃の名前が出て来る。いわく

 すずめ(ウイソ)
これが、主人公の愛称・呼名なのか本名なのかは不明。「すずめ」が意訳で「ウィソ」が音写と読むべきだろうか。

 それではということで早速夏漢事典を引いてみるところだが、子音が34種、母音が声調とか重母音もかぞえてなんと105種もある西夏語のこと、発音から類推するのは大変。

 そこで漢字の「雀」から引いてみる。「雀」で引ける西夏文字は3文字。そのうちのひとつに、二字熟語で「雀子」と訳されているものがあり、添えられている発音記号には「wi siuo」とある。3つの文字に関係するものの中では、これが「ウィソ」に一番近そうだ。この漫画に今まで出てきた名前の中では、初めての西夏語と思しき名前である。


 少し余談だが、今号にはもうひとり主人公の知り合いの「屈漢」なる男がでてくる。主人公は、彼を「クィハン」と呼んでいる。古い漢語の発音には詳しくないのだが、「屈」は現代中国語の辞書を引くと「qu」とあるので、「クィ」は古い発音を意識したものだろうか。

 そこで一つ問題だが、主人公に「クィハン」と呼ばれ、主人公を「ウィソ」と呼ぶ屈漢と主人公は、何語で会話しているのだろう。バイリンガルというのならそれでも構わないが。

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コメント

西夏の女性人名というのは『三才雑字』番姓名などに確認できないことはないんですが、発音を復元するとどうしても語感が(汗
この語彙集には漢族の姓名(正確にはその音写らしきもの)も記されており、西夏社会に多数の漢族が存在したことも明らかです。ちなみに漢族名に「クィハン」が(笑)

私としては、ここは西夏(党項)語で会話していたことを想像したいですね。

とにかく今回も密かに小ネタが頻出してますね。

投稿: 某勉強会会長 | 2009年1月20日 22時41分

某勉強会会長さん
こんばんわ

語感は難しいですね
「ウィソ」は良いほうじゃないですか


屈の字を夏漢字典でひくのを忘れてました
ちゃんと族名音写字として載ってますね
「クィ」はkhiuなんですね

それなら西夏語で会話してた
でもいいわけですね^^

投稿: 武藤 臼 | 2009年1月21日 00時52分

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