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2009年3月21日

鎌刃城

 今年は、例年よりも雪が少なく春らしい陽気の日も随分と早く訪れたものの、日々の事にかまけて外に出かけるのが随分と遅くなった。桜の開花の話題が流れ、近所の桜も開花間近と蕾を膨らませている。

 連休中日の晴天に恵まれた一日、滋賀県の米原まで出かけて来た。今年最初の目的地は、米原駅の東3kmほどの所にある戦国時代の山城鎌刃城。戦国時代後期、江南の六角氏と江北の浅井氏が争奪戦を繰り広げ、織田氏と浅井氏の興亡の場にもなったという要衝の城。


 城の麓、谷にそって細長く延びる番場の集落は、国道や鉄道から外れた田園という風情ながら、山麓を東名高速道路が走り静かなというわけではない。最寄りの米原駅から湖国バスに乗って10分、北の外れにある番場バス停を降りると、南へかつての中山道が走り、その辺りが中山道62番目の宿場である番場宿だったとのこと。宿場としての雰囲気は残っていないものの、道端に往時の建物を示す案内板が建てられている。

 城への登り道は、鎌倉時代末期の惨劇を伝えている蓮華寺の近くと、集落をもう少し南へ行ったところの二か所。どちらも高速道路を潜るガードが目印で、どちらにも小さな案内板が立てられている。

 蓮華寺側から登ってみたが、最初の案内板から15分で尾根筋へ、35分で城北端の大堀切へとたどり着いた。昨秋以来のブランクで大変かと予想していたが、尾根筋に出てからはさほどの苦労は無かった。道には案内板が立てられているので、数カ所で判断を誤らなければ迷うこともない。雨上がりの悪路を予想していたが、ぬかるみはほとんど無かった。ただし、櫟の落ち葉が暑く積もっていたり、小さな浮き石が固まっていたりと安定した登坂路とは言い難い。



 北端の郭からの眺め。左手少し遠くに琵琶湖があり、その先には伊吹山から小谷城へと続く山並みを一望できる。中山道の押えという役割だけでなく、この眺望も城の価値であるという。


 北端の郭の先にある大堀切。鎌刃城は、地形的に北が正面の攻め口であるという。そのやや広い尾根を大きく断ち切る形で掘られている。


 北側から北端の郭を眺めたところ。鎌刃城は石垣の利用が特徴のひとつという。写真左に郭へ登る階段が見えている。この一帯からは礎石などが見つかっていて、立派な櫓建築を想定した復原イラストが『 戦国の堅城(学習研究社)』に掲載されている。


 主郭の入り口も石垣で固められている。大きな礎石が残っていて、立派な櫓門が想像される。


 城から南へも尾根が続き、城の中心部よりも高い山へと続いている。一見弱点のようにも思えるが、かなり細い瘠せ尾根で、かつては大きな堀切が何重にも掘られていたといわれ、今もって歩き難い道だった。脆い石も多いので歩くことはあまりお薦めできない。


 城の南、少し谷に降りたところにある青龍の滝。滝の上には、城へ水を取り入れる為の施設があったという。



「この地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図(彦根東部)を基に作成しています。」


<参考>
 近江の山城 ベスト50を歩く(サンライズ出版 2006年10月)
 近江城郭探訪(サンライズ出版 2006年10月)
 戦国の堅城(学習研究社 2004年9月)

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コメント

こんにちは。お元気にされてるでしょうか。

ブログの更新、お疲れ様です。
最近はちょっとは学ぶこともあり、自分なりの接客法とか相手を大切にする会話の仕方とかが分かってきたような気がします。

むとうすさんの記事を読むと、いつも新鮮な驚きがありまして、とくにリニアや空港の記事など、整理された分かりやすい文章に感心しております。

新聞に載ってたんですが、松永久秀の鹿背山城(木津川市)の調査がまとまったそうですね。
中世城館の調査する方の中には、峰を垂直に登っていくような方もいるので、自分には真似できないなと思っています(^^;

投稿: 巫俊(ふしゅん) | 2009年3月27日 13時51分


巫俊さん
しばらくぶりです
おげんきですか?

最近あまり書いてないので恥ずかし限りです^^

鹿背山城は、今月の歴史読本に載ってましたね
自分的にノーマークだったので意表をつかれてます
近々見に行こうと思ってます

垂直の壁は登りませんが(笑
山城では道無き道での無茶は時々します^^
下調べがいい加減なんで
道をロストすることたびたびなもので(笑

投稿: 武藤 臼 | 2009年3月28日 15時55分

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