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2009年6月17日

リニア中央新幹線 2009年5〜6月の動き

<今までのエントリー>
 リニア中央新幹線を諏訪へ
 リニア中央新幹線と長野県
 リニア中央新幹線 Bルートが無理なわけ
 リニア中央新幹線 知事の質疑応答ほか
 リニア中央新幹線 Bルートが実現する可能性 その1
 リニア中央新幹線 Bルートが実現する可能性 その2
 リニア中央新幹線 2008年12月の動き その1
 リニア中央新幹線 2008年12月の動き その2
 リニア中央新幹線 2009年1月の動き
 山梨でリニア学習会


 あまりブログを更新していない中で、リニア新幹線関係の記事もだいぶ間が開いてしまった。この間小さなニュースがいくつか散見されただけだったが、JR東海による長野県下への説明会が始まるなど急にニュースが増えて来た。長野県に関係する部分を中心に簡単ながら記録に留めコメントを試みる。


 リニア構想 JR東海が29日、5地域の同盟会に説明
(信濃毎日新聞 5月22日)

 リニア中央新幹線構想をめぐり、県とJR東海は、諏訪、上伊那、飯田下伊那、木曽、中信の県内5地域の建設促進期成同盟会を対象に今月29日、初の「地元説明会」を開くことで合意した。
 JR側はこれまで「地域をまとめる県と話し合う」(松本正之社長)ことを基本姿勢とし、市町村などへの説明には消極的だった。
 2月9日のエントリーで触れた「JR東海と長野県の顔合わせ」以降この記事に至までにどんな経緯があったのか、ネットを検索しても公式記録やニュース記事は見当たらない。水面下での折衝の結果ということなのだろうか。JR東海が譲歩したと取ることができるが、自分にはそれで何が変わるのだろうかと疑問符がつくものの、結論を導く必要はないので経過を見守っておく。


 リニア中央新幹線:松本で初の地元説明 5促進同盟60人に---JR東海など /長野
(毎日新聞 5月30日)

 JR東海によるリニア中央新幹線の建設問題で、同社とリニア中央エクスプレス建設促進県協議会が29日、(中略)初めての地元説明会を松本市内で開いた。(中略)今後も順次開催するという。
 実際に開かれた最初の「地元説明会」の記事だが、以下のような事について「報告され」たとのこと。

 ・リニア開発の経緯
 ・環境への影響
 ・駅の構造やイメージ
 ・建設手順

 参加していた伊那市副市長は、「新しい話や具体的な話が少なかった。今後の調査結果が出た段階で説明会を開いてほしい」との感想を記者に述べたようだ。

 この副市長の発言に限らず、地元関係者の発言にはJR東海側の説明待ちとの受け身の姿勢を見受ける。先に長野県下でBルートへ意見が集約されたという経緯があるとはいえ、これまのでエントリーで述べてきたように地元側は圧倒的に不利と自分は見ている。積極的に地元側から働きかけない限り状況は何も変えられないのではないか。


 リニア「1県に1駅」 JR東海社長が方針表明
(日本経済新聞 6月8日)

 (前略)リニア中央新幹線の途中駅について「1県に1駅ずつ設置することが適切」との考えを明らかにした。
 途中駅の建設費は「受益の観点から地元負担と考えている」と説明。
 これは、愛知県知事が会長を勤めるリニア中央エクスプレス建設促進期成同盟会の総会でのR東海社長の発言と思われる。(→総会の開催について)最初の地元説明会から10日足らず。いかに長野県下の意向に影響力が無いかを示していると見る。

 これを受けて、次の長野県知事の発言についての記事につながる。


 「それで事業が進むのか!」リニア1県1駅構想で長野県知事
(産経新聞 6月10日)

 長野県の村井仁知事は10日の記者会見で、(中略)「中間地点の駅は経営的に大してプラスにならないとみているのは理解できるが、それで事業が進むのだろうか」と疑問を呈した。
 「理解できるが」が「進むのだろうか」という「疑問を呈した」という文脈が自分には理解し難い。

 記事から受ける印象そのままに読み取って良いのかという疑問も残る。この記者会見については長野県の公式サイト内知事会見6月10日分リニア中央新幹線について(1)に全文が掲載されているので稿を改めて検討してみたい。


 リニア中央新幹線:諏訪で説明会 「Bルート」求める要望相次ぐ /長野
(毎日新聞 6月11日)

 JR東海が想定する南アルプスを貫く「Cルート」に対し、出席者からは諏訪・伊那を通る「Bルート」を求める要望が相次いだ。
 山田市長は「地域を考慮した全体の発展を考えてほしい。我々は今後もBルートを求めていく」と話した。
 諏訪地区を対象とした説明会が9日に開かれたとのこと。地域の発展に考慮してBルートを推すことの無理については、既に一連のエントリーの中で述べてきた。


 リニア中央新幹線:「Bルート」決議へ---県議会 /長野
(毎日新聞 6月12日)

 リニア中央新幹線の建設問題で、県議会が諏訪・伊那を経由する「Bルート」の実現を求める決議をする方向で調整を始めたことが11日、明らかになった。
 上記にあるように、JR東海が「1県1駅」を表明したことなどから、議会として意思を示したいのだという。意思を示すというだけでは、子供にもできるただのポーズにすぎない。そこからは、議会は頑張っていますというフリをしておこうという以上のものはなんら感じ取れない。


 構内長さ1キロ、線路4本 リニア中間駅の基本構造が判明
(中日新聞 6月12日)

 JR東海が、各県などに示した駅の基本構造の概要が11日、明らかになった
 この記事によれば、リニア中央新幹線の中間駅として想定されている構造は、東海道新幹線などでよく見られる4本の線路の外側にホームが向かい合うもの。大雑把に見積もって20m前後の幅を持つ構造物が延々1kmあまり続くことになる。

 用地買収も大変そうだが、地域振興以前に地域分断のシンボルにならなければ良いのだが。このようなものを3つも作ろうというのだがら大したモノである。


 リニア新幹線Bルート要望相次ぐ 伊那でJR東海が説明会
(長野日報 6月14日)

 地元説明会は、13日に3地区目となる上伊那で開かれたとのこと。「Bルートでの建設を求める意見が相次いだ。」として、いくつかの意見が列記されている。この記事が説明会の状況をバランス良く伝えているのかという疑問が残るが、「コスト面だけでルート選択しているが、あまりにも独善的」「トンネル内で緊急事態があったとき、どうするのか」など、いずれも勉強不足を露呈する一方的なものと自分には思える。

 「人を物のように速く運ぶなら直線になるが、これからの時代は、もっと人間的ゆとりが必要。人間的、将来的な選択を」というものもある。リニア新幹線はいらないという意味なら、他の意見の中では異彩を放つまともな意見と言えなくもないが。

 伊那市長が、「(Bルートを願う)上伊那の心意気をしっかり(上層部に)伝えてほしい」と述べたとのことだが、心意気で誘致するレベルを越えていることを説明する必要がまだあるだろうか。


 JR東海、リニア建設費提示へ 3路線、8000億円増加ルートも
(日本経済新聞 6月17日)

 東海旅客鉄道(JR東海)は自民党が18日に開くリニア特命委員会(堀内光雄委員長)で、(中略)建設費の試算を提示する方針だ。南アルプスを貫通する直線ルートでは約5兆円の建設費が必要だが、諏訪・伊那谷を通るルートでは建設費がさらに8000億円前後増える見通しだ。
 18日に開かれるという会の内容が、前日に流れるのはどういうことなのだろう。Bルートに釘を刺そうという意味ともとれてなんとも胡散臭い。明日には、もう少しまともな情報が流れるだろうか。

 以前、かなり大雑把ながら7000億円という試算をしてみたが、それほど外していない喜んでよいだろうか。

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