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2009年6月20日

リニア中央新幹線 ルート別の試算公表

<今までのエントリー>
 リニア中央新幹線を諏訪へ
 リニア中央新幹線と長野県
 リニア中央新幹線 Bルートが無理なわけ
 リニア中央新幹線 知事の質疑応答ほか
 リニア中央新幹線 Bルートが実現する可能性 その1
 リニア中央新幹線 Bルートが実現する可能性 その2
 リニア中央新幹線 2008年12月の動き その1
 リニア中央新幹線 2008年12月の動き その2
 リニア中央新幹線 2009年1月の動き
 山梨でリニア学習会
 リニア中央新幹線 2009年5〜6月の動き


リニア工事費でJR東海がルート別の試算公表
(信濃毎日新聞 6月18日)

 リニア中央新幹線構想で、JR東海と鉄道・運輸機構は18日、東京---名古屋間の工事費について、長野県側が求める諏訪・伊那谷回りのBルートは、同社が想定する南アルプスを貫くCルートを6400億円上回る5兆7400億円などとする試算結果を公表した。
 その結果、BはCより60キロ延び、所要時間は7分多くかかる。木曽谷回りのAルートはCより48キロ長く、6分差。工事費は5300億円増の5兆6300億円となった。

 18日、JR東海からリニア新幹線建設についての試算が公表された。この試算については、同日JR東海のHPに中央新幹線調査の今後のスケジュールと工事費等についてがリリースされ、その中に同名のPDFファイルが添えられた。どの様な見積もりが公表されているのかと期待したが、わずか6ページに簡単な表が並ぶだけのもので読み取れる事は少ない。

 計算根拠としてここに記されていない数字が多々あると思われるものの、かなり簡素な資料でこれだけでは数字がどこまで具体的なものなのか価値が疑われかねない。実際に、長野県知事は公表後の記者会見で以下のように述べており、公表された数字を曖昧なモノとして軽視しようとしていると取れる。この点で、JR東海はより中身の濃いものを出すべきだったのではないか。

 それは率直に申しまして評価のしようがないと思います。これはあくまで現段階でその程度の金額でいけるのではないかという推計がされているということでありまして、これまでいろいろな巨大事業を私見てまいりましたけれども、当初想定された金額から膨らむケースが結構多ございましたし、ずいぶん振れます。
(長野県のHP内6月18日知事会見より)


 この簡単な試算表から読み取れる事をいくつか考えてみる。

 Cルートが、延長286km、建設費4兆8000億円とあるので、1km当たり建設費が168億円となる。同様にBルートは、346km、5兆3800億円で1km当たり155億円。つまりCルートの方が単価が高い。これは、南アルプスにトンネルを掘るたの分と想定して間違いないだろう。CルートとBルートの違いがそれだけであるならば、大雑把に計算して3000億円以上が南アルプス貫通に必要な費用と見ていることになる。しかし、それでもトータルでBルートの方が高いというわけである。

 Bルート延長346kmの内、トンネル区間が248kmでトンネルの割合72%と計算できる。Cルートが81%なので、Bルートの方がトンネルが少ない。それでも7割というのは、ずいぶんトンネルが多いという印象を受ける。山梨の実験線はほとんどトンネルであり、山岳部は同様にほとんどがトンネルになるのだろう。また、関東平野部については、大深度の地下線で通すということであり、相対的に伊那谷部分のトンネルの割合は低くなる。

 車両費について、Aルートで3400億円、Bルートで3600億円、Cルートで3000億円とある。編成単位ということだろうから、1編成が100億円ならAルートで34編成、Bルートで36編成、Cルートで30編成。これだとかなり多く見えるので、1編成あたり200億円、それぞれ17編成、18編成、15編成ということだろうか。

 なお、この試算表には既に完成している山梨実験線の18kmが含まれているのかどうかが書かれていない。その点も、大雑把で適当な資料という印象を助長しているように見えてならない。


 関連したニュースに書かれていることについて、少しコメントしておく。

 中央リニア需要予測など試算へ 早期着工は不透明
(中日新聞 6月19日)

 (前略)経済効果は50年間で10.7兆円に上る。(中略)日本経済をどれだけ潤せるかについても考えるべきだ」と話す。
 この記事上では、メリットについてしか書かれていない。書かれていないだけなのか、語られなかったのか。メリットのみを強調して、巨大事業を推し進めるのは自分としては辟易なのだが。


 リニア3ルート試算提示、知事は静観姿勢 県内関係者は賛否両論
(中日新聞 6月19日)

 山田勝文諏訪市長は差額について「ずいぶん小さい。ほとんど変わらないじゃないか」と受け止めた。
 地元関係者として6400億円を「小さい」というのは厳に慎むべきだろう。格好の攻撃ネタである。

 県議会でのBルート決議案、修正や見送り模索
 政治的な流れということなのだろう。たいした中身の無い決議は不要とも思うが、もはや県を上げてお祭りのようにBルート推進という事態ではないということだろうか。

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