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2009年9月13日

韮山城と興国寺城

 夏休み後半は伊豆、というか伊豆と駿東の話。半日という時間の中で車でどれくらい回れるかと思案しながら、戦国時代の城3つを候補に挙げてみたものの、一つ目の韮山城を回った時点で山中城を断念して興国寺城へと向かった。


 どちらの城も戦国北条氏に興味のある方にはすこぶる有名な城であり、解説一切不要とも思うのだが一応簡単に概略のみ書いておく。

 韮山城は、伊豆の国市、合併前の韮山町の中心部東側、溜池に臨む丘陵にある山城。戦国北条氏初代早雲が伊豆に最初に築いた拠点であり、北条氏西端部の拠点城だった。豊臣秀吉による北条攻めの際は、4万余という大軍の重囲を受けて3ヶ月余り戦い抜いた事でも知られている。

 本城の他に溜池を囲む丘陵に連なる複数の城塞によって城塞群を構成しているが、時間の都合で本城周辺を散策して撤退した。改めて資料をひっくり返してみると立派な城塞群であり、一日かけて歩いて回る価値があるようにも思うので、いつか再訪を果たしたいと思う。


 もう一つは興国寺城。沼津市西部、愛鷹山山麓の丘陵先端を利用した山城。富士市と沼津市の間にあるという曖昧な認識でいたが、現地に行くと地理感覚ははっきり覚え込める。JR東海道本線原駅の2キロメートルほど北北西にあり、北側を新幹線が走っている。

 今川氏に使えていた北条早雲(当時は伊勢氏)が、最初に得た城であって伊豆侵攻の拠点となった。その後、今川、武田、徳川、中村各氏の時期を経て関ヶ原後の天野康景まで変転が激しく、また伊豆、駿河、甲斐といった国々の勢力を睨む位置にあるため、城そのものも幾度も手が入れられて来たようだ。その為、現地に立っても早雲の城とはだいぶ異なっているのかもしれないが、それでも戦国北条氏立身最初の城として、本丸に佇めばいろいろと楽しく想像することはできる。

 まだ工事は始まっていないが、城跡の北から西へかけて東駿河湾環状道路の建設が計画されている。この道路との位置関係が気がかりだったのだが、城跡にはとりあえず掛からないもよう。


 溜池の土手から見上げた韮山本城の天守曲輪。


 天守曲輪の北側の二曲輪。回りには高い土塁が残り、虎口も往時の形が想像できるほどに残る。


 痩せ尾根に沿って南北に続く天守曲輪。こちらも土塁が良く残っている。



 興国寺城の前に立つ「興国寺城跡整備計画図」。今は三ノ丸に倉庫が一棟建っているのみだが、Google Mapを見ると他に何軒も建物があったようだ。近年、整備にあたって立ち退きが進んだということか。


 広い空間をもつ本丸。西から北へ土塁が残り、中央奥には櫓が建っていたとされる。右の茂みに神社があり、城の解説板が立っている。


 本丸の北にある大堀切。愛鷹山から伸びる丘陵を断ち切る位置にあり、深さ幅ともにかなり大きい。


<参考>
 韮山城と興国寺城(Google Map)

 歴史群像シリーズ 戦国の堅城II(学研 2006年)
 歴史群像シリーズ14 真説戦国北条五代(学研 1998年)
 戦国の城 下 中部・東北編(学研 1992年)
 歴史読本 2007年5月号(新人物往来社)

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コメント

僕の先祖の苗字は「上條」で、家紋が丸に四つ菱
塩尻の朝日村に先祖代々の墓があり、恐らく武田家の
末裔ではないかと思い調べていました。
人目を忍んで暮らしていた一族のように思います。
上條家はいったい武田家とどんな繋がりがあったのか
気になります。


投稿: SIMBA〆 | 2010年10月14日 21時44分

SIMBA〆さん こんばんわ
コメントありがとうございます

私が山梨を訪れてからもう一年が過ぎました。
以来まだ何も調べられていませんので、私の知っていることは、ひとつ前のブログに書いた限りです。

朝日村あたりには何か残っていないのでしょうか。
機会があれば歩いてみたいですね。

武田に繋がる人々の内、武田家滅亡の後、他家に仕官できた人々をのぞけば、移り住んだ土地に落ち着き、帰農したというのは十分に有りそうな話とは思います。

主家は滅んでしまったとはいえ、朝日村や塩尻をはじめ周辺に同姓が沢山居るところを見る限り、源平合戦後の平氏のごとく隠れ暮らしていたというほどのことはなかったのではないでしょうか。

投稿: 武藤 臼 | 2010年10月14日 23時16分

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