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2010年7月31日

シュトヘル 3

201007311

BCS3420
シュトヘル 3
伊藤悠 著
ISBN978-4-09-183420-1
小学館 2010.8


 昨日発売になったので早速購入。16話から22話まで7話を集録。西夏の都慶興府興慶府にある番大学院にモンゴル軍が攻め込むところまで。以前書いた数字の話の中に出て来た「5:30」については、10が加筆されていた。


201007312 左は、中表紙の写真。目次に「黒虎」の西夏語表記とあるが、月刊スピリッツ9号には「黒虎・ハラバル」とあるので、3巻の表紙に描かれたハラバルのことのようだ。西夏文字2文字は意訳で、1文字目が虎、2文字目が黒。形容詞句が後に来る文法どおり。音は le - nja で、もちろんハラバルとは読めない。ハラバルは、トルコ語かモンゴル語らしい響きだが確認できず。

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2010年7月26日

今月のシュトヘル

201007261

 シュトヘルの連載が、今月から同じ小学館の月刊スピリッツに移動した。週刊誌連載時から月一連載だったのでペースは変わらないものの、両誌のネームバリューを考えれば世間的な露出度はだいぶ下がるだろうか。

 30日には、単行本の第3集が発売されるとのこと。月刊スピリッツにはその表紙が載っている。第3集の表紙はユルールの兄で、シュトヘルを追っているハラバルとなる。


 今月号のシュトヘルには、新しい人物が数人登場する。その内の一人が、西夏国の番大学院長という人物で名を吉祥山。フリ仮名はグルシャンと振られている。「吉」で夏漢字典をひくと、吉、瑞、慶などの意味をもつ文字(夏漢字典の文字番号で4031)の引用熟語の中にそのもの「吉祥山」が載っていて、「雑字」と呼ばれる文献に人名として集録されているとのこと。

 夏漢字典集録の「吉祥山」それぞれの文字(文字番号4031-4437-3763)の発音記号を並べると gju - rjur - sia となり、グルシャンのンに当たる発音が見つからない。また、1文字目gjuも2文字目rjurも漢語とはだいぶ違う音のように見えるが、3文字目siaについては字典に「漢語借詞」とある。


 今月号には、山賊風情の自称金国軍人なる集団が登場する。彼らの描かれている身なりが、どこまで女真人のものを再現しているのか、誰か女真に詳しい人が解説してくれないだろうか・・・

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