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2011年9月30日

今月のシュトヘル

 11月号収録のシュトヘルには、沢山の西夏文字が出て来たので、久しぶりにコメントしてみる。

 まずは、以前に触れた・・・具体的にはチンギス=ハンの背中に刻されたという4つの西夏文字が再登場している。その4文字は、「西夏の奴隷」の意とのこと。前回不明としたその一文字目は、「西夏」ということにる。これは、西夏人もしくはタングート族の自称「ミ」のことであるようだが、「ミ」の篇は辞書活字としては「ノノメ」ではなく「ノノイ」に近い。この違いは、書体のバリエーションとして許容される範囲、もしくは物語の設定的に甘受すべき範囲ということなのか。

 ちなみに「ミ」字は、夏漢字典では真ん中の縦棒を含む「ノノイl」までが篇とされている。


 今回は、主人公たちの前に更に沢山の西夏文字が登場するのだが、一文字一文字が小さくて釈字するのがちょっと厳しい。その中で比較的判別し易そうな10ページ目に出ているもの(鷹が筆をくわえているコマのもの)について辞書を引いてみた。

 5行目に段落の見出しと思しき5つの文字があるが、4文字目までで「舌頭音字」と読める(5文字目は残念ながら釈字できなかった)。その左に並んでいる文字のいくつかを引いてみると、どれも「舌頭音」の文字だった。彼らが読み書きしていたものは、日記的な文書の類いではなく、同音の内容そのものなのかどうかは分らないものの、純粋に文字の手習いということなのだろう。


 細かな突っ込みをひとつ。チンギス=ハンが生まれ育った現在のモンゴル国北東部と西夏領最北端とは、直線距離で700km以上離れている。ちょっと略奪してきますという距離ではないのだが、これはいずれ解き明かされるのか、あるいは笑って見過ごすべきことなのか。


 単行本の第5集、10月28日発売とのこと。

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