先週から9月初めまでの予定で京都国立博物館で開催されている特別展、シルクロード 文字を辿って---ロシア探検隊収集の文物を見に行ってきた。概要は、京都国立博物館のサイト内の特別展覧会の案内にあるように、19世紀から20世紀初頭にかけて、ロシアが東トルキスタンから敦煌、カラホトにかけてを調査、探検した成果として、サンクトペテルブルクのロシア科学アカデミー東洋写本研究所に所蔵されている文物の中から文字資料を並べたというもの。
カロシュティー文字で書かれたガンダーラ語、ブラフミー系の文字で書かれたサンスクリット語、サカ語、トカラ語、ソグド文字、チベット文字、ウイグル文字、西夏文字、漢文と130点近い資料が並ぶ。また関連として、京都博物館などが所蔵する西魏からモンゴル時代にかけての招来された漢文資料を展示したコーナーもある。
話としてや様々な書籍の中身として見聞きした物の原典が、沢山見られるという二度あるかどうかという展示である。樺皮文書や貝葉形式という形にしても、コピーなどで見たことはあっても実際に見るのは初めて。おもわず樺の皮であることをじっくりと確認してしまった。
西夏文字については、カラホトのコーナーで2部屋を使っていて、漢文、チベット文もあるものの大半が西夏文字。朱書きで校正されているような『孝経』の西夏語訳、全長10メーター近い『大般若経』、西夏文字、西夏語を解読する上で重要な資料となってきた『番漢合時掌中珠』『文海』『五音切韻』など十分にボリュームのある内容。強いて言えば、『番漢合時掌中珠』について、いろんなページをもう少し眺めてみたかった。
文字資料ではないが、19世紀末の東トルキスタンを描いたとペトロフスキーの地図、全幅11メーターを越える敦煌千仏洞全景図の2つが広いスペースを割いて展示されていた。いずれも自分には初めて知ったもので、前者は絵地図ではあるものの関係性が意外に正確で興味深く、後者は長大な敦煌莫高窟が奇麗な線画で描かれていた。
全体として、貴重な展示であって興味深いには違いないのだが、何文字で何語が書かれているのかというあたりの解説は徹底されていない。とくに文字についてもう少し踏み込んだ解説があっても良いのではないかと思う。西夏文字や漢文はともかくとして、ブラフミー系の文字は、話題としては知っていても文字字典を片手に見比べることでもしないかぎり、「ふーん、そーか」という以上の感想が出てこない。もう少し工夫をしないと、最後にはみんな同じ物に見えてしまわないだろうか?
もうひとつ余談を。前からソグド文字が縦書きなのか横書きなのか、自分には良くわからなかった。展示に添えられていた資料には横書き文字として紹介されていて、展示物の中にはどちらかというと横書きと見受けられるものがあるものの、敦煌文書中の『鸚鵡のジャータカ』など活字のように奇麗な書体で書かれたものを見ていると、どちらなのかさっぱり分からない。これって一定の見解があるのだろうか?
特別展に会わせて土曜講座が開催されているが、今日時点で残り3回の内、8月22日以外は既に閉め切られている。。
特別展の図録を購入。
特別展覧会
シルクロード 文字を辿って
---ロシア探検隊収集の文物
京都国立博物館 2009.7
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