第9回遼金西夏史研究会大会
昨日今日と、京都大学にて開催された遼金西夏史研究会の発表を聞きに行ってきた。自分が聴講させて頂くようになって早4年目となる。
今年は、以下のような7本が予定されていたが、残念ながら発表者体調不良のために見城氏の発表が無かった。
自分の興味範囲に近いもの、わりと隣近所のもの、広汎な話題を含むもののほか、中世仏教やシベリア考古学のように全く縁の無いものが含まれている。とはいえ、西夏とその周辺に無縁というわけではなく、またそれ以前として内容そのものが興味深いものだった。
尊勝陀羅尼と日本の古代・中世仏教
上川通夫
契丹・宋間の澶淵体制における国信使と外交儀礼
古松崇志
東・西・南シベリア出土遼・金代の中国系銅鏡とその考古学文化
枡本哲
2008年度敦煌莫高窟・楡林窟調査報告(敦煌壁画部分・仏教美術)、同(西夏文題記)
向本健・荒川慎太郎
ハーバード大学での中国社会史研究の現状
飯山知保
朝貢、貿易、あるいは投資---9・10世紀敦煌の使節派遣---
坂尻彰宏
後晋出帝政権の性格---五代政治史研究
見城光威
この他に、研究会として初めて発行した54ページとなかなかの厚みのあるニューズレターが配布されている。
発表以外では、サイトオープン当初よりリンクを貼っていた、小高裕次のホームページの小高さんに初めてお会いできた。予期していなかったので、かなりビックリしたが、西夏に絡み興味深い話をいろいろとお伺いさせて頂いた。以前からこのブログなどをご覧になられているとのこと、汗顔の限りである。
大会終了後は、引き続いて西夏語の勉強会が開かれた。短時間ながらも西夏語文書の読解のほか、シュトヘルや夏漢字典の問題など中身の濃いひと時となった。
来年は、3月21、22日に東京で開催予定とのこと。
参加者の方より以下の冊子を頂いた。いつもながらありがとうございます。
大英図書館所蔵夏蔵対音資料Or.12380/3495について
『京都大学言語学研究』第27号 P.203-212の抜刷り
荒川慎太郎
契丹の旧渤海領統治と東丹国の構造
史學雑誌 第117編第6号 P.1-38の抜刷り
澤本光弘
突厥トニュクク碑文箚記---斥候か逃亡者か---
待兼山論叢第24号史学篇 別刷
鈴木宏節
契丹国(遼朝)の于越について
立命館文学 第608号 抜刷
武田和哉
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